ペルソナ3
2032話
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りの頃ではなく、冬に近いくらい寒い事がありがたい。
おかげで、この公園には俺と美鶴の2人だけだったのだから。
俺や美鶴みたいに、買った焼き芋を外で食べる為に公園にやってくるような奴がいてもおかしくはないのだが。
「……すまない。まさか、このようにいきなり進化するとは思わなかった」
俺の息を吐いた様子を見て、問題がないと判断したのだろう。美鶴がすまなさそうに謝ってくる。……のはいいんだが、何だか美鶴の顔が赤くないか?
「別に気にするな。どんなタイミングでペルソナが進化するのかなんてのは、普通なら分からないだろうし。それより、顔が赤いけどどうした? もしかして、風邪とかか?」
美鶴はS.E.E.Sのリーダーだ。
実際の戦闘では、ペルソナチェンジという特殊能力を使える有里に指揮を任せているが、それは戦闘指揮に限られており、軍隊的には前線指揮官的な意味だ。
総合的にS.E.E.Sを仕切っているのが美鶴である以上、もし美鶴が風邪でダウンするような事になれば……特に今週末には満月で、最後のイレギュラーシャドウが出てくる事を考えると、最悪に近いだろう。
「風邪だったら、早く帰って寝た方がいいな。ここで俺と一緒にサツマイモを食べてる余裕はない。そうだな、ちょっと人影のない場所に行くか」
「ちょっ! い、いきなり何を言う!? 人影のいない場所に私を連れて行って、どうするというのだ!?」
何を勘違いしたのか、余計に顔を赤くして叫ぶ美鶴。
いや、こういう場所でそんな風に叫ばれれば、色々と外聞が悪いんだが。
「何をするって、決まってるだろ? 美鶴を寮まで送っていくだけだよ。風邪気味なんだから、こんな寒い場所にいるのは色々と不味いだろうし」
「いや、だから……私は風邪など引いてはいない!」
叫ぶ美鶴だったが、顔が赤くなっているのは間違いない。
ただ、こうして叫んでいるのを見れば、風邪を引いているように思えないのも、間違いないんだよな。
「なら、何で顔が赤いんだ?」
「それは!? ……その、だな」
再び叫ぼうとした美鶴だったが、言葉の途中で何かに気が付いたかのように大人しくなる。
いや、本当に何があったんだ?
だが、1分くらい待っても、美鶴がその言葉の先を話すような事はない。
となると、恐らくこれ以上待っても無駄だろう。
「取りあえず、風邪じゃないんだな?」
「うむ。それは間違いない」
「そうか。……なら、いい。美鶴が風邪じゃなくて良かったよ」
そう言うと、何故か美鶴は少し驚いたような様子で、こちらを見つめてくる。
「良かった、のか?」
「ん? ああ、当然だろ。美鶴は俺にとっても大事な相手だからな。風邪を引かれたら困る」
S.E.E.Sを指揮
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