ペルソナ3
2032話
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であれば、そのくらいの非難は幾らでも受けよう」
「そこまでバイクが好きか」
そう尋ねた俺の言葉に、美鶴は真顔で……それこそ、どこがおかしい? といった様子で頷いてくる。
この様子を見る限りでは、バイクを愛するという事に関しては他の者の言う事を聞かないのは間違いない。
……ちなみに、乗り物全般的な意味で好きだったりするのか? だとすれば、実働班の方にも引っ張っていける可能性はあるかもしれないが。
まぁ、その辺りは結局のところ、ホワイトスターに繋がってから……って話になるんだろうが。
「当然だ」
後ろめたい事など何もないと言わんばかりに、そう告げる美鶴。
「そうか。……そうなると、意外と美鶴が人間的に成長する要素は、そのバイクにあるのかもしれないな」
「……バイクに?」
「ああ。勿論何かの確信がある訳じゃなく、あくまでも可能性の1つとしての話だと思ってくれ」
だが、それは何の根拠もない話という訳ではない。
今までペルソナが進化してきた者達の原因を考えれば、そこにあるのは何らかの理由で自分にとって重要な何かがあったから、というのは否定出来ない。
そういう意味では、美鶴のペルソナが進化する理由の1つとして、バイクが関係してくるという可能性は決して否定出来ない事実だ。もしくは……
「美鶴が、バイク以上に何か重要に思っている何かがあるのなら、そっちかもしれないが」
そっちの点でも、予想は出来る。
美鶴が小さい頃から……それこそ小学生の頃から、影時間を解決する為に頑張ってきたのは、父親がそれを望むからという理由があった筈だ。
である以上、それが美鶴のペルソナを進化させる要因になる可能性は十分以上にある。
「バイク以上に重要に? ……っ!?」
一瞬俺に何を言われたのか分からない様子の美鶴だったが、少し考え……ふと、何かに気が付いたかのように、息を呑む。
同時に、美鶴の背後に女の形をしたペルソナではあるが、両手に1本ずつ剣を持つのではなく、鞭を持っているペルソナが姿を現した。
……って、おい!?
慌てて周囲を見るが、幸いそこには誰の姿もない。
「ふぅ」
思わず安堵の息を吐く。
ペルソナというのは、シャドウに対する為の能力ではあるが、その姿はペルソナの才能を持つ者でなければ見えない……というものではない。
そもそもの話、俺がペルソナを見る事が出来る時点で、それは明らかだ。
一般人にも普通に見える以上、人前で使えば騒ぎになるのは確実だった。
まぁ、この場でいきなりペルソナが進化するというのは、俺にとっても美鶴にとっても、完全に予想外の事だった。
そう考えれば、しょうがないのだろうが……つくづく、今の季節が秋で、それも夏から秋に変わったばか
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