第42話 妖精の想いと絶剣の苦悩
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女将さんはわたしたちとエステルたちに気が付いた。
「初めまして。あたしはエステルよ」
「僕はヨシュアです、今回はティータの護衛で同行してきました」
「へぇ、そうだったのかい。それはごくろうさまだったねぇ。あたしはこの『紅葉寧』の女将をしているマオってババァさ。ラッセルとは幼馴染でこの子も実の孫みたいなもんさね」
「へ〜、そうだったんだ」
エステルたちが自己紹介を終えた後、問題の導力ポンプと通信器をティータが修理している間に、魔獣に襲われていたドロシーを助けたりしていたらすっかり日が暮れてしまった。
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――――――
―――
side:??
「ふう……いい湯加減だ」
「温泉には初めて入ったけどいいものだね」
エステルたちがドロシーを救助してティータが導力ポンプの修理を終えると日が沈みかけていた。リィンとフィーは宿を一泊二日で取り、エステルたちもマオのご厚意で泊っていくことになった。エステル、ティータ、フィーと別れたヨシュアとリィンは男湯の内風呂でのんびりと湯に浸かっていた。
「しかしドロシーさんにも困ったものです、マイペースなのが彼女の魅力かも知れませんがちょっと危機感がないのも考え物ですね」
「まあそれがドロシーさんらしい一面なのかもしれないけどね」
「でもこうしてヨシュアさんと二人っきりで会話するのってヴァレリア湖の宿以来ですよね」
「そういえばそうだったね、あれから結構な時間が過ぎたけどこの旅も悪くなかったかな……」
二人だけで会話したのが久しぶりだからか普段はあまり喋らないヨシュアも楽しそうに会話をしている、温泉の熱で頭が少しのぼせていたのも原因かも知れないがヨシュアは知らないうちにリィンと意気投合していた。
「ジェニス王立学園の学園祭でヨシュアさんがセシリア姫を演じていたのを見て最初は目を疑いましたよ」
「止めてくれ……未だに恥ずかしいんだ」
「でも写真をシェラザードさんやアイナさんに見せたら大絶賛していましたよ」
「リ、リート君!?なんてことをしてくれたんだ!」
「あはは、街の人にも見せたら皆可愛いって言ってました」
「うぅ……ロレントに戻るのが怖くなってきたよ……」
ブライト家に来た日からヨシュアは警戒心が強かった。最初はエステルにさえ警戒心を持っていた程だ、そのくらい彼は他人に心を委ねなかった。でも何故かヨシュアはリィンを強く警戒できなかった、昔から知り合っていた友人のように心地いい雰囲気がリィンからしていたのだ。
「ツァイスで推薦状を貰ったら後はグランセルだけですね。エステルさんとヨシュアさんが正遊撃士になるのもそう遠くないんじゃないんですか?」
「そうだね、この旅も
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