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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第42話 妖精の想いと絶剣の苦悩
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しに行くとホテルの従業員や責任者が慌てた様子で話していた。


「原因が分からないだと?」
「はい、突然明かりをつける導力器が止まってしまいそれどころか他の導力器まで原因不明の停止をしてしまいました」
「何が起きたというんだ……」


 どうにも唯の停電では無いらしくおかしいと思ったわたしたちは外に出てみると辺りが完全に真っ暗闇になっていた。


「どうなっているんだ、家どころか電灯も真っ暗じゃないか」
「しかも動く階段も止まってるね。導力器が動いていないのかな?」


 まるで街全体の導力器が停止してしまったような状況にわたしもリィンも驚いていた。だが暫くすると街全体に明かりが戻り動く階段も正常に動き出した。


「直ったのか……しかし今の現象は一体なんだったんだろう?」
「導力器が全部止まっちゃうなんて初めて見た。こんな事は普通あり得ない」


 わたしたちがそう話していると中央工房から誰かが凄い勢いで出てきてわたしたちの前を横切っていった。


「突然街全体の導力器が停止するなんて……きっとまたあの人がなにかやらかしたに違いない!」


 その人は怒ったような呆れたようなとにかく疲れ切った表情で街の端にある民家に入っていった。


「……なんだったんだ?」
「さあ?」


 その後わたしたちはホテルの部屋に戻り1日は過ぎていった……









 翌日になってホテルをチェックアウトした後、わたしとリィンは今度こそエルモ村の温泉宿に宿を取るために急いで向かった。


「あら、あんたたちは昨日の……」
「すいません、今日は部屋開いていますか?」
「わざわざ今日も来てくれたのかい?ありがとうねぇ。でも間が悪かったね、申し訳ないんだけど今はちょっと困ったことになっちゃってねぇ……」


 なんてことだろう、今日もまたなにかあったらしい。空の女神はわたしに恨みでもあるのだろうか。


「困った事とは一体何ですか?」
「温泉をくみ上げる導力ポンプが故障してしまったんだよ。このままじゃ営業が出来ないからツァイスの中央工房に修理を要請しないといけないんだけど運が悪いことに導力通信器まで調子が悪くてね、連絡ができないんだよ」
「……なら、俺たちが行ってきましょうか?」
「えっ、あんたたちがかい?」
「ええ、俺たちは魔獣との戦いも慣れているので直にツァイスまで行って修理を頼んできますよ」
「しかしねぇ……」
「妹が温泉を楽しみにしていたんです、ここは妹の為に俺たちに任せてくれませんか?」
「……そうだねぇ。あんたがそこまで行ってくれるならお願いしようかしら。その代わり宿代を半額にまけてあげるわ」
「それはいいですね、なら任せてください」

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