第42話 妖精の想いと絶剣の苦悩
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口を開けてリィンにあーんをおねだりする。
「おいおい、俺はしなくてもいいだろう?」
「あーん」
「……はぁ、分かったよ」
リィンはパスタを絡めたフォークをわたしの口の中に運ぶ。
「もぐもぐ……」
「美味しいか?」
「……うん、リィンに食べさせてもらうとより美味しく感じる」
リィンにニコッと笑いながらそう話すとリィンは顔を赤くしながら「……良かったな」と呟いた。もしかして照れちゃったのかな?
「リィン、可愛いね」
「……いいから冷める前に食べろよ。デザートも頼むんだろう?」
「もちろん」
その後パスタとスープを完食して、デザートに旬のフルーツタルトを食べてからわたしたちはエルモ村に向かった。
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――――――
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「……なあ、そろそろ機嫌を直してくれよ」
「……」
辺りもすっかり暗くなった夜、わたしたちはエルモ村の温泉宿ではなくツァイスの『ツァンラートホテル』の一室にいた。わたしはベットの枕に顔を沈めて横になっており、リィンは隣のベットに座りながら困った顔でわたしを見ていた。
「……楽しみにしていたのに」
「仕方ないだろう、今日は温泉宿が満室だったんだから」
そう、エルモ村の温泉宿に到着したのは良かったんだけど今日は満室で宿を取る事が出来なかったの。急いでツァイスに戻ってきたわたしとリィンは偶然一部屋だけ空いていたホテルに宿を取ることにしたんだけどやっぱり納得いかない。
「……」
「なぁ、機嫌を直してくれないか?膨れっ面のフィーは珍しいけど俺は笑っているフィーの顔が見たいんだ」
「……ごめん、ちょっと大人げなかった」
わたしはベットから起き上がるとリィンの傍に行き彼の膝に腰を下ろした。リィンはそうすると分かっていたようにわたしの頭を優しく撫で始める。
「明日直にエルモ村の温泉宿に行って宿を取ってこような。それにこのホテルだって中々快適じゃないか、だから今日だけは我慢してくれ、な?」
「ん、そうだね。子供っぽい事をしてごめんね」
「子供っぽいってフィーはまだ子供だろう?気にすることないって」
「むう、リィンだって2歳しか離れてないのに子供扱いしないでよ……」
「えい」
「ぷう……もうやめてよ」
「あはは」
ぷく〜と頬を膨らますとリィンは楽しそうにわたしの頬をつついて遊んでいる。もう、リィンはいつもわたしの事を子供扱いするんだから。
「……?」
なんだろうか?今、何か嫌な感じが辺りを通り過ぎたような……
「おや、停電か?」
すると急に部屋の明かりが消えて真っ暗闇になってしまった。フロントに確認
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