第10話 初対面
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あれば、その才能はこの世界ででも群を抜くと言って良い。鍛錬次第ではトップクラスの戦士になれると容易に想像できる……が、聊か安易に考えていないか?」
「い、いえ、そんな事は……」
「なら、そう落ち込むな。命あっての物種とも言う。……ユーリのヤツも、最初から最強だった訳ではない。数多の冒険を経て、戦いを乗り越えて あの域にまで到達したんだ。そう簡単にその域にまで到達されては、ユーリにも立つ瀬がないだろう」
アームズは笑みを浮かべ、そして伝えた。
「弱いと思うのなら、強くなればいい。その才能に溺れる事なく、鍛錬を続けろ。私が言えるのはこれくらいだ」
「は、はい。判りました」
エールの身体にも力が戻ってきた。
戻ってきた……のだが、ここで更に最悪の出来事が起こる。
「うっがああああああああああああああああ!!! サテラサテラサテラサテラサテラサテラァァァァァァァァァ!!!!!」
翔竜山を蹴落とされた筈の、魔人DDが有り得ない速さでまた登ってきたのだ。
「な、何ッ!? DDッ!」
流石のアームズも予想だにしてなかった事だろう。
あの位置からシーザーとイシスに落とされた。少なく見積もっても、まだ此処に戻ってくるのには1,2時間はかかる。岩山を拳1つで掘って登ってくるDD。判る様に力には特化しているが速度の方はそこまで無い。なのに、この登場はあり得ない。
「ハァァァァァ!! イライラすんぜぇぇぇ! このオレ様を投げ落としやがってよぉぉぉぉ!! だがだが、あめぇえなぁ!! こんな豆腐みてえぇな岩山だぁ! ぶん殴って捕まるなんざ余裕だろうがよぉぉぉ!!」
「あんな体勢で……」
「ッ……。成る程。下まで落ちず 途中で止まっていたのか……(状況が悪過ぎるな。まだ皆は戦える状態ではない)」
エールは立ち上がり、構えたが万全とは程遠い状態なのは一目瞭然だ。サテラと戦う前を10とするならば、見た所3.若しくはあって4程。
「ひ、ひぃぃぃぃ、こ、こんどこそダメだぁぁぁ」
「うぐぐぐ、え、えーる様だけでも オラが……っ!」
言い方は悪いが今のロッキーと長田君は戦力外も良い所。
「つまり、絶体絶命と言う訳だ。エール。これからは撤退戦をするしかない。しんがりには私が立つ。お前達は退け」
「え、で、でも1人じゃ 危険すぎます!」
「……1人だろうが、2人だろうが関係ない。今のお前がいても足手まといにしかならんからな。さぁ早く行け。私は元々ソロだ。1人の方が動きやすい」
「っ……そ、そんな。でも。そうだ、日光は!? 聖刀日光が折れてしまった今、魔人と戦った所で……」
「…………」
アームズは何も言わなかった。
その意味がエールにはよく判った。
「まさか、死ぬ
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