第四十四話 二人でお外に出てその二十
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「それだけで天高に来たの?」
「成績が合格する範囲でして」
「奈良県にいて」
「はい、そうです」
「それだけでそんなに熱いの?」
「大叔母さんがようぼくなんです、天下茶屋にいるんですけれど」
大阪の西成区の場所です、下町で凄く人懐っこい感じがする寅さんや両さんがいそうな場所です。
「凄くいい人で」
「その人の影響でなの?」
「僕もいさんでるつもりでして」
「教会長さんの資格もって考えてるのね」
「修養科行かせてもらって」
三ヶ月おぢばに伏せ込んで勉強やひのきしんをさせてもらいます、その間ずっと詰所に住まわせてもらいます。
「そこから前期と後期の講習も受けさせてもらって」
「先の先まで考えてるのね」
「大学を卒業してから」
「就職してよね」
「はい、そうです」
「そこまで考えてるのね、それだったら」
私はお弁当の中のミニトマトを食べながら阿波野君に言いました。
「もう教会に入ったら?」
「教会を継ぐんですね」
「そうしたら?結構後継者のことは真剣な問題だから」
教会を継ぐ人のことはです、お子さんがいなかったりうちみたいに女の子しかいない教会もあるからです。
「だからね」
「教会に入ることもいいことですね」
「そう、やっぱり教会が出来たら続けたいでしょ」
「理を受け継ぐ、ですね」
「そう、だから私も教会継ぐし」
「僕も教会に入らせてもらうならですね」
「いいことよ。というか」
私は阿波野君のその横顔を見て言いました、確かにいい加減で礼儀知らずですが顔立ちはいいでしょうか。
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