猫娘と職場体験編
NO.036 幕間・男達の葛藤と思い
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雄英体育祭ではお前の心を一時は解き放ってくれた。
あそこまで思ってくれるものなど昨今ではなかなかいないぞ?」
「……………うるせぇ」
轟はそれで顔を逸らしながらも図星だったらしく顔を赤くさせていた。
そんな息子の姿にまんざらでもないなと思うエンデヴァーであった。
「まぁ、来なかったものは仕方がない。まずは遠征するぞ」
「どこにだ?」
「もちろん、今ちまたを騒がしているヒーロー殺し、ステインを捕獲するためだ。場所は保須市だ。準備をしろ」
「ああ……(保須市か。確か、飯田の兄貴がやられた場所だったな……飯田もそこに今職場体験に行っている。この不安は何だ……?)」
そんな事を思いつつも轟はエンデヴァーとともに保須市へと遠征の準備を開始した。
爆豪はベストジーニストと二人だけで話をしていた。
部下達は今は下がらせている。
「正直言おう。僕は君をあまり快く思っていない」
「あ……?」
「雄英体育祭は見させてもらった。確かに君はそれで優勝を果たしたのだから実力はあるだろう。だが、君はどちらかといえば性格がヴィラン寄りだ」
「うるせぇよ……」
「一回戦の女子との戦いはまぁ見ていて冷や冷やものだったが、それでもそんなに被害はなかったと言えよう。
だが、決勝戦での戦いはまるで相手を言葉で術中に嵌めていくようにして選択肢を減らしていった。戦いなのだからそれも戦術なのは分かる。
だが、君はあの緑谷出久さんにはなにかしらの因縁があるように思える。
おそらく選手宣誓で言った幼馴染と言うのは君の事なのだろう……?
性転換してしまう前の姿を知っているとすれば、多少の遠慮もできてしまうのではないかね?」
「さっきからぐちぐちと……それに俺は性転換した後のデクの奴に言ったんだよ!」
それで爆豪はまたあの時の言葉をベストジーニストに話す。
『クソデクはクソデクだ! 男だろうが女だろうがてめぇはてめぇだろうが!!』
と。
それを聞いてベストジーニストは少し感心した様に声を出した。
「なるほど……。多少は筋は通しているわけだな」
「わりぃかよ!?」
「いや、正直見直したよ。ガサツそうな君にもそういう貫くという感覚があるという事に」
「馬鹿にしとんのか!?」
怒る爆豪に「ハハハ」と受け流すベストジーニスト。
中々にやり辛いと感じる爆豪。
だが、そこでベストジーニストはとある爆弾を落とす。
「なんとなくわかった。恐らく君は彼女になにかしらの罪悪感を感じているんじゃないかね?」
「…………は? 罪悪感?」
「君達の過去は知らないけど何となくわかる。君は彼女にそう言って強く当たるのは自分の本心を隠そうとしているからだとね」
「そんな、そんなわけあるか!! 俺は、俺は!!」
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