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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第四十五話 ナンバーズ 3
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買ってくるから。先に寝てて」

上擦った声で、しどろもどろになるティアナ。

普段なら、流石のスバルもティアナの様子がおかしいと気づくのだろうが、

「んー、おやすみぃ……」

寝ぼけているスバルは、そのまま夢の中に潜って行った。

「ふぅ」

かなり慌てていたティアナは、一呼吸おいてから休憩室へと向かった。

「……ったく、キャラじゃないでしょ。何を浮ついてんだか……」

ブツブツと呟きながら、ティアナは休憩室に近づいた。

「あれ?」

すると、休憩室から誰かの話し声が聞こえてくるのに気づく。

ティアナはそっと窓から中をのぞき込む。

そこには、アスカとアルトが何やら楽しそうに話していた。

”アスカって、アルトと仲いいよね”

昼間のスバルの言葉が脳裏を過ぎる。

チクリ

複雑な、言葉にし難い感情がティアナの胸を刺す。

寂しいような、悲しいような。

ポツンと置いて行かれたような感情。

アスカは笑ってアルトと話をしている。アルトも、楽しそうにそれに答える。

普段のアスカの笑顔とは、また違う笑顔。

アルトの笑顔も、また普段とは違うように見える。

二人だけが知っている、そんな笑顔だ。

入ってはいけないような雰囲気。

ティアナがそう思った時、

「あれ?ティアナじゃん。どうしたんだよ?」

アスカがティアナに気づいた。

「う……」

いまさら立ち去る事ができなくなり、覚悟を決めて休憩室に入るティアナ。

「ちょっと眠れなくてね、ジュースでもって思ったの。なんか楽しそうに話してたわね?」

極力、平静を装うティアナ。

「まあね。キャロの事をいろいろ聞いていたんだよ」

嬉しそうにアスカが話す。

「キャロの事?」

ジュースを買ったティアナがアルトの隣に腰を下ろす。

「ああ。ほら、なるべく一緒にいるようにはしてるけどさ、プライベートの事とかは分からないじゃん?だから、アルトさんに部屋ではどうなのかって聞いてたんだよ」

「そうそう。私もエリオの事を聞けるしね。何だかんだで、フェイトさんにも頼まれているし」

アスカとアルトの話を聞いて、ティアナはスバルが言った事を思い出す。

”エリキャロの事で色々話しているみたいだよ?”

でも、本当にそれだけなのだろうか?そんな思いがティアナを過ぎる。

そんなティアナの気も知らず、アスカが続けた。

「そしたらさ、キャロがなんて言ってたと思う?」

ニコニコしながらアスカがティアナに聞いてくる。

「そうね……お兄ちゃんができたみたい、とか?」

内心を悟られないように注意しながらティアナが答えると、アスカは驚いたように目を
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