ペルソナ3
2031話
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に、きっとこれが一番良い方法だったんです。……僕を見て苦しむ荒垣さんを、いつでも見る事が出来ますしね」
満面の笑みと共にそう告げる天田。
「お前、少し性格が変わったか?」
「え? そんな事ないですよ。僕は以前からこういう性格でしたし」
「……そうか?」
俺の知ってる限り、天田はもうちょっとこう……素直な性格をしていたように思うんだが。
「ええ。ともあれ……これからも荒垣さん共々よろしくお願いしますね」
そう言った瞬間……唐突に天田のペルソナが姿を現す。
だが、そこに現れたのは、天田が今まで使っていたネメシスというペルソナではなく、両肩が肥大化した感じになっている人型のペルソナだった。
「カーラ・ネミ……」
小さく呟く天田。
どうやら、そのカーラ・ネミというのが新しい天田のペルソナらしい。
普通であれば、いきなりペルソナが変われば驚く筈だ。
しかし、ゆかりという前例がある以上、それで驚くような事はなかった。
「どうやら、今回の件で天田も人間的な成長をしたらしいな」
何だかんだと理由をつけても、荒垣と一緒にいたいという……そんな天田の思いが叶った形になった。そう言えばいいのか?
ともあれ……
「まさか、ペルソナを進化させた2人目が、天田になるとはな」
「……そうですね。僕が言うのも何だけど、驚きです。僕って、人間的に成長したんでしょうか?」
「どうだろうな。そもそも、人間的な成長がペルソナの進化のトリガーだというのも、予想でしかないし、何か確証がある訳でもない。そうである以上、恐らくそうなんだろうなとしか言えないな」
「嬉しいような、悲しいような……何だか微妙な気がします」
「そうか? ともあれ、折角ペルソナが進化したんだ。皆に教えに行ったらどうだ?」
「はい、そうしますね」
笑みを浮かべ、天田が寮の中に入っていく。
それを見送り……俺は、寮の扉から少し離れた場所にいる相手に声を掛ける。
「良かったな、天田は人間的に成長したらしいぞ」
「……ふん。あれが成長って言っていいのかどうか、俺には分からねえがな。寧ろ、誰かさんの悪影響を受けているようにしか思えねえよ」
そう言いながら姿を現したのは、いつもの仏頂面をしている荒垣だ。
俺と天田が外に出て来た時から、こっちの様子が気になっていたのか、隠れて様子を見ていたのだ。
天田は気が付かなかったみたいだが、俺から見ればまだまだ甘い。
まぁ、天田に対する殺気とかそういうのがあれば、天田も気が付いた可能性はあるが……荒垣の性格を思えば、そんな事をする筈もない。
「さて、誰かさんってのは誰の事だろうな。……ああ、もしかして順平辺りか?」
「……お前、わざと言ってるだろ? まぁ、
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