第三章
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「だからね」
「足の裏の毛がどうなっても」
「何ともないでしょ」
「そう言われるとそうか」
「そうよ、だからね」
「足の裏の毛がどうなってもか」
「何ともないわよ」
笑って夫に言うボアーンだった、二人の間に生まれた男の子が無事に育つことが彼女の懸念であった。
幸い男の子はすくすくと育ち二人目三人目と女の子が続けて生まれた、だがその女の子達もであった。
足の裏の毛が薄い、それでボアーンに店の仕事の肉切の間に言った。
「娘達もだよ」
「ブリージットもスカサハも?」
「二人共足の裏の毛が薄いな」
「また足の裏の毛の話なの」
「ああ、気になってな」
それで言うというのだ。
「今も言うんだけれどな」
「だから足の裏の毛はね」
「もうどうでもいいか」
「そうでしょ、靴を履いてるんだから」
今のホビットはと返す妻だった。
「だからね」
「そう言われるとそうだけれど」
「それでもなのね」
「僕は気になるんだよ」
それはどうしてもというのだ。
「子供の頃から」
「そんなに言うならね」
「そんなに?」
「自分の足の裏を見たら」
こう夫に言った妻だった。
「一度ね」
「ああ、僕の足の裏を」
「そうしてみたら?」
「そういえば風呂に入ってもじっと見ていなかったな」
足を洗ってもだ、その時に。
「全然」
「だったらね」
「僕自身の足の裏見てみるか」
「そうすればわかるでしょ」
「子供の頃はかなりあったんだよ」
足の裏の毛の量がとだ、ハルボルクはボアーンに話した。
「やっぱりね」
「その頃から靴を履いていてもよね」
「そう、あったんだよ」
子供の頃はというのだ。
「本当に」
「じゃあ今は?」
「今から見てみるね」
仕事の合間だがと言ってだ、そしてだった。
オルボルグはその場で靴を脱いだ、それから靴下を。そうしてから自分の足の裏を見るとであった。
毛はかなり少なくなっていた、子供の頃の記憶と比べて。それで妻に対して言った。
「薄くなってるよ」
「そうなのね」
「子供の頃見た記憶と比べたら」
「もう必要ないからね」
「靴を履く様になったからだね」
「そうなったのよ」
足の裏の毛も薄くなったというのだ。
「必要なくなったから」
「そうなんだね」
「靴を履くと」
また言う妻だった。
「もう靴が守ってくれるから」
「そうだね、底の石とかもね」
「しかも毛とか厚い皮よりも確実に」
足を守ってくれるというのだ。
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