第六章
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「それでなのよ」
「今ここにいるんですね」
「そう、シベリアにね」
周りは真っ白いツンドラだ、遥か彼方に白い森が見える。
「マンモスを探しにね」
「そうですよね」
全身防寒服で包んでもこもこした感触の穴かで応えた光だった。
「このシベリアで」
「そうした番組の企画だからね」
「殆ど何とか探検隊ですよね」
「あれはヤラセだったけれどね」
ただし身体は張っていたらしい、全力でヤラセ番組を作るというのもそれはそれで覚悟なのであろうか。
「これは本当にね」
「マンモス探すんですね」
「そうよ、ここでね」
シベリアでというのだ。
「そうするのよ」
「あの、ここって」
そのシベリアについて言う光だった、周りのスタッフ達も防寒装備は万全にしている。
「日本幾つも入りますよね」
「ええ、とんでもなく広いわよ」
「こんなところでマンモス探すんですか」
「そうなのよ」
「見付かります?」
かなり疑問になっている光だった。
「そんなところで、そもそもです」
「マンモスがまだいるか」
「絶滅したんじゃないんですか?」
「だから絶滅したのにいるっていう話があるからよ」
「探しに行くんですね」
「そうした企画なの、あとね」
さらに話す美奈子だった。
「ここ雪男とかいるって話もあるし」
「それ聞いたことあります」
「あとどっかの湖に恐竜がいるとか」
「UMAの話多いんですね」
「そうなの、あとこの辺りには虎もいるからね」
「あれっ、虎もですか」
「寒冷地のね、豹もいるわよ」
この獣もというのだ。
「狼もいるし。あとクズリはかなり怖いから」
「猛獣多いんですね」
「数自体は少なくてこれだけ広いし滅多に遭わないと思うけれど」
「それでも注意してですね」
「いてね」
こう注意するのも忘れなかった。
「寒さだけでなく」
「恐ろしいところですね、ここも」
「北朝鮮の恐ろしさはルナティックだけれどね」
極めているというのだ。
「けれどね」
「シベリアも充分ハードですね」
「そうよ、マンモスを探すのがお仕事でも」
「その前にですね」
「光ちゃんだから行けてね」
企画に参加出来てというのだ。
「やれるお仕事なのよ」
「頑丈だからですか」
「ここでどれだけの人が死んだか」
「スターリンの強制収容所で」
「わからない位だからね」
何千万単位で死んだと言われている、正確な数がわからないだけの人がここで死んでいるということである。
「そんなところだから」
「獣に注意して」
「寒さにもですね」
「そうよ、そうしてマンモスを探していきましょう」
「わかりました」
光は雪を踏みしめつつ美奈子に答えた、そしてそのままだった。
番組の収録を続けた、結局マンモス
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