第三章
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「アイドル路線でいきたいんですが」
「歌とかお芝居とか」
「そういう依頼はないんですか?」
「これがないのよ」
はっきりした返事だった。
「クイズ番組はあるじゃない」
「しかも準レギュラーで」
しょっちゅう海外の秘境に行くので正式なレギュラーでないのだ。
「それでありますけれど」
「名前も売れてるし人気あるでしょ」
「それはいいことですけれど」
それでもと返す、そうこう話している間に空港に停まっている飛行機の前に来ている。今から乗るところだ。
「ですが」
「それでもなの」
「はい、もっとです」
それこそというのだ。
「歌とかお芝居とか」
「そうしたお仕事がしたいのね」
「アイドルみたいに。元々アイドル志望ですよ」
「完全にパラドルね」
「ですよね」
「そうね、けれどね」
「私が頑丈だからですね」
また自分からこのことを言った、言いつつ飛行機の中に美奈子に足元は気をつけてと言われつつ入る。
「やっぱり」
「だからうちの事務所にも採用されたし」
「お仕事もですね」
「あるのよ、これまでの秘境突撃を書いた本も売れてるしブログもツイッターも注目されてるでしょ」
「はい、有り難いことに」
「だったらね」
それならばと言う美奈子だった。
「このままよ」
「こうしたお仕事続けていくんですね」
「目指すは日本一のパラドルよ」
笑って光に言ったのだった。
「いいわね」
「わかりました」
困った顔のままだがそれでも答えた光だった、そうしてだった。
日本から戻ると実際に今度はマチュピチュに行った、高く険しい山々を越えてそうしてその秘境まで行った。当然美奈子も一緒だ。
その他の秘境にも二人で行っていく、テレビのスタッフも一緒だが光はいつも彼女と一緒であった。
このことについてだ、光は美奈子に事務所で仕事の打ち合わせの時に聞いた。
「あの、マネージャーさんいつも私と一緒ですよね」
「ええ、マネージャーだからね」
すぐに答えた美奈子だった。
「このことはね」
「当然ですか?」
「そうでしょ、マネージャーならよ」
それこそというのだ。
「いつもタレントさんと一緒にいないと駄目でしょ」
「私相当な秘境ばかり行ってますけれど」
「それでもよ」
「マネージャーならですか」
「タレントさんと一緒にいるものよ」
そのタレントが何処に行ってもというのだ。
「お仕事の時はね」
「だからですか」
「そう、私もなのよ」
「いつも一緒に来てくれるんですね」
「何処でもね」
まさに例え火の中水の中といった感じでだ。
「そうしてるのよ」
「有り難うございます」
光は美奈子のその言葉に確かな顔で答えた。
「本当に」
「お礼はいいわよ、それに私もね」
「マ
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