第四章
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「イベントの出演がね」
「正式にですか」
「決まったから」
こう言われたのだった。
「そっちのこともね」
「お仕事としてですか」
「やってくから」
「まさか本当になるなんて」
「だから言ったでしょ」
「収録現場に自分が運転する車の中で有紗に言うのだった、都内の景色も今は二人にとってはただの背景だった。
「レギュラーだし人気キャラを演じてるから」
「イベントもですか」
「出る可能性があってね」
「実際にですね」
「それが決まったのよ」
「そういうことですか」
「あと歌もね」
今度はキャラクターソングの話だった。
「決まりそうだから」
「そちらもですか」
「ええ、それとネットの評判だけれど」
「ツイッターとかですね」
「そう、まとめブログの評価とかもチェックしたら」
有紗もブログやツイッターはしているが自分の細かい評判まではチェックしていない。
「結構いいわよ」
「そうなんですか?」
「ええ、演技力があるってね」
由美は有紗に笑顔で話した。
「評判がいいわよ」
「そうなんですか」
「よかったわね」
由美も笑って有紗に言う。
「演技の評判がよくて」
「はい、本当に」
「やっぱり声優は演技力だから」
何といってもというのだ。
「だからね」
「それでなんですね」
「そう、評判がいいのはね」
その演技力のだ。
「大きいわよ、あとこれでイベントに出てね」
「その時にですか」
「ルックスの話になったら」
助手席の有紗をちらりと見つつ言った。
「有紗ちゃん強いわよ」
「そうなんですか?」
「だってアイドルにもなれそうだから」
「ですがどの人も」
同業者達もと言う有紗だった、それも自信なさげに。
「ルックスは」
「いいっていうのね」
「はい、かなり」
「そうね、声優さんも役者だから」
「外見もですね」
「求められるのよ、特に女の人はね」
「ですから」
美人や可愛い人ばかりでというのだ。
「私なんか」
「いえいえ、有紗ちゃんもよ」
由美は笑って有紗に話した。
「いけてるわよ」
「だといいですけれど」
「だからね」
「イベントの時はですか」
「注目されるわ、あとね」
由美は笑いながらだ、有紗にこちらの仕事も話した。
「アニメ雑誌や声優雑誌でグラビアとかインタヴューも入るかもね、インタヴューは間違いないわね」
「そちらはですか」
「だってレギュラーキャラよ」
その役を演じるからだというのだ。
「番組の紹介とかでね」
「声優さんのインタヴューありますからね」
「それでよ」
「私へのインタヴューもありますか」
「絶対にね、それで作品とのタイアップでね」
このことでというのだ。
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