116部分:イドゥンの杯その二十二
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「生きたまま脳を奪われた者もいる」
「脳を」
「そうだ。そして戦艦の生体コンピューターとされたのだ」
「それはまさか」
「ローゲ。知っているな」
「うむ」
他でもない。彼が乗るケーニヒ級戦艦イゾルデに搭載されている生体コンピューターである。このコンピューターのおかげで彼もかなり救われている。
「あの頭脳は我等のものだったのだ」
「何と」
「そもそもあの戦艦はミーメが設計した」
彼等は言う。
「そして夥しい犠牲の後で七隻の戦艦が建造された」
「それを命じたのは第四帝国の者達だ」
「我等か」
「言いたいことはわかるな」
彼等はトリスタンに詰め寄ってきた。
「ミーメの出自はわかっている」
彼がニーベルング族だったことも知っていた。
「我等にとって今の帝国は敵だ。だが」
「我々も敵だというわけか」
「そうだ。部下達は全て投降した」
「彼等に用はない。放してやる」
「済まないな」
だが自分はそうではないとわかっていた。
「しかし貴殿は違う」
それを聞いてやはり、と思った。
「わかっている。では一思いにやるがいい」
「いや、それはしない」
しかし彼等にはトリスタンを殺すつもりはなかった。
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