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恐怖の秋田美人
第三章

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「結城先生は登校ではこれ以上は」
「まだ一年ですが」
「では一年で、ですね」
「転勤ということで」
「そうしてもらうのですね」
「それでお願いします、あと一人結城先生に強烈な欲情を抱いている体育の比良夫先生ですが」
 ついでにこの教師のことも話した校長だった。
「この先生は暴力的な先生でして」
「その噂は聞いています」
「部活やクラスでの指導で生徒への暴力を行っているそうですね」
「それもかなり酷いものだとか」
「そしてですね」
「結城先生にもですね」
「何をするかわからないので」
 それでというのだ。
「暴力の証拠がありますので」
「はい、比良夫先生のことも審議します」
「厳罰の方針で」
「懲戒免職も視野に入れましょう」
「あの先生は昔から問題がありますし」
 こうしてこの教師は調査の結果あまりにも悪質な暴力行為の数々が判明し懲戒免職となり蜜は新たな学校に転勤となったがその学校でもだ。
 美貌と色香が問題になりこの学校も一年で転勤となり次の学校でもだ。そうしたことが続いてだった。
 蜜はふとだ、家でこう両親に漏らした。
「私いつも転勤なのよね」
「一年でな」
「そうよね」
「ええ、どうもね」
 両親に夕食の時に話した、秋田米の御飯を食べつつ。
「私自身がね」
「色気があるからな、御前は」
 父親が言ってきた。
「親である俺から見てもな」
「それがってってことですね」
「それは本当にわかるさ、親でもな」
「ええ、蜜はね」
 母も言う、見れば蜜に似ているが色気は彼女よりも遥かに落ちる。年齢を経ているせいでもあるがそれでもだった。
「高校の時からね」
「色気が出て来てな」
「意識してなくてもね」
「それでだからな」
「仕方ないわね」
「何かずっと転勤ばかりで」
 それでと言う蜜だった。
「困ってるけれど」
「とはいってもな」
「その外見と雰囲気じゃね」
「仕方ないだろ」
「そこに何かあってからじゃ遅いし」
「どうしたらいいかしら」
 本気で困って言う蜜だった。
「ここは」
「とはいってもな」
「どうしたものかしらね」
「どうにかしてな」
「隠ししかないけれど」
「こうなったらね」
 ここで一計を思いついて言う蜜だった。
「完全武装の服装でマスクしてサングラスと帽子で」
「おい、それだとな」
「あれじゃない、古いけれど」
 二人で娘にすぐに突っ込みを入れた。
「口裂け女じゃない」
「それだぞ」
「ああ、あの妖怪ね」
 蜜も口裂け女のことは知っていた、それで両親に応えられた。
「あたし奇麗?っていう」
「それになるぞ」
「怪しまれるわよ」
「そうよね、けれどこのままだと」
 蜜は両親に困った顔で話した。
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