第一章
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強敵続々
福岡ソフトバンクホークスのファン達は北海道日本ハムファイターズのエースダルビッシュ有を見ていつも苦々しく思っていた。
「あいつは打てねえ」
「何だよあの能力」
「ボールは速いし変化球も色々持っててな」
「しかもどの変化球もかなりだぜ」
「何であんなチートがいるんだよ」
日本ハムという敵チームにというのだ。
「調子悪い時ならともかくな」
「調子がいい時のあいつはどうしようもねえ」
「あいつでどれだけ負けたか」
「あいつが敵ってのが嫌だな」
「あいつ一人でうちどれだけやられてるんだ」
ダルビッシュに負け続けているかというのだ。
「うちパリーグで一番戦力あるよな」
「選手育てて大金はたいて集めてな」
「パリーグどころか日本一の戦力だろ」
「それがな」
その強大な戦力を擁していてもというのだ。
「どれだけあいつに負けたんだ」
「お陰で優勝出来ねえ」
「日本ハムに優勝攫われたぞ」
「あいつさえいなければ」
「冗談抜きでとっととアメリカ行ってくれ」
「メジャーに挑戦しろ」
「あいつの実力ならメジャーでも通用するぞ」
間違いなくそれだけの実力があるというのだ。
「あの速球と多彩でどれもえげつない変化球ならな」
「気も強いしな」
「本当にさっさとアメリカ行け」
「そしてあっちで大活躍しろ」
「巨人には行くなよ」
日本ひいては全世界の心ある市民達に害悪を及ぼさんとしている東京に巣食うおぞましく悪の権化である読売ジャイアンツにはというのだ、選手の育成はなおざらで金の力で他球団から選手を掠め取ることしか考えていないチームにはというのだ。
「まあ巨人には興味ないみたいだしな」
「メジャーに行ったら素直に応援してやる」
「だからさっさとアメリカ行け」
「メジャーで大活躍してこい」
今日もソフトバンクの強力打線を力でねじ伏せた長身の美男子を見て言うのだった、そして彼等の祈りが通じたのか。
ダルビッシュはポスティングシステムでメジャーに渡った、日本ハムファン達はエースの流出を嘆いたが。
ソフトバンクファン達は大喜びでだ、こう言い合った。
「よし、最大の強敵が行ったな」
「メジャーに行ったぜ」
「ダルビッシュ頑張れよ」
「メジャーに行ったらもう戦わないからな」
敵、それもどうにもならない強敵でなくなったからだ。
「もうあの速球とどれだけ種類があるかわからない変化球に苦しめられない」
「こんな奴どうして打てるんだって思うこともないぜ」
「もう日本ハムは敵じゃないぞ」
「ソフトバンクの黄金時代到来だ」
「元々なってる筈だったしな」
「日本一になろうぜ」
「新しい球界の盟主は俺達だ」
その圧倒的な戦
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