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渦巻く滄海 紅き空 【下】
十一 暗中飛躍
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ている彼らにしか頼めない事。
この廃墟のように人目がない場所ならともかく、流石にダンゾウの眼が光る『根』に水月は潜入出来ない。

だからこそ、今、表向きは『根』に所属という形に納まっている鬼童丸と左近が適任だ。
そして、彼らに与える任務内容から、今回待ち合わせ場所にナルトが水月を向かわせた事も納得できる。



ナルトから得た情報をもとに、早速水月は本題を切り出した。




「ボクが知る限りの情報を教えるから、アンタ達にはダンゾウの許から奪ってきてほしい」
「奪う、だと…?」

怪訝な表情を浮かべる左近と鬼童丸に、水月は言い直した。


「いや、ダンゾウが奪った、というのが正しいか…」
「何の話だ?」

理解が出来ず、眼を瞬かせる二人に、水月は口許に弧を描いた。
特徴的なギザギザの歯が垣間見える。




「霧隠れが唯一所有する双刀『ヒラメカレイ』、そして鮫肌と首切り包丁を除いた───『霧の忍刀七人衆』の忍刀」



己の目的であり、本来の目的を達成する為の重大な要。
その為に水月は、『根』に表向き所属している左近と鬼童丸に協力を仰ぐ。


ナルトの仲間であり、『根』にスパイとして入り込んでいる彼ら二人に。









「ダンゾウの許にある、それら忍刀を盗んできてほしい」



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