十一 暗中飛躍
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わせにコイツ寄越したのはお前ぜよ!?』
『ってゆーか、この水ヤロー誰だよ、ボス!?』
【念華微笑の術】で連絡を取ったナルトに向かって、一斉に喚く。
同時に言われ、ナルトの苦笑雑じりの声が三人の脳裏に伝わった。
『一気に言わないでくれ…それと、左近、その呼び方はやめてくれ』
自分をボスと呼ぶ左近を窘めるナルトをよそに、鬼童丸が水月を睨み据える。
『俺達はお前の指示通り、待ち合わせ場所である此処に来たんだぜよ』
『ああ、すまない。俺は少し抜けられない用事があってな。彼に頼んだんだ。顔合わせもさせたかったしな』
ナルトの謝罪に、左近と鬼童丸の警戒心が若干薄れる。
それでもまだ自分に対して警戒態勢は崩さない彼らに、水月は軽く肩を竦めた。
「ボクは鬼灯水月───ナルトのお仲間だよ」
なんとなく白々しいその様子に、左近と鬼童丸は顔を顰める。
しかしながら、脳裏に響くナルトの言葉が、水月が敵ではない事実を明らかにしていた。
左近と鬼童丸は、大蛇丸の命令でうちはサスケを里抜けさせる最中、大蛇丸から逃れ自由の身となる計画を企てていた。
死を偽造しようとしたものの、失敗し、『根』のダンゾウに生け捕りにされてしまう。
もっともナルトが前以って取り引きしていたので身の安全は保障されており、現在は『根』の優秀な手駒としてダンゾウの下、修行させられていた。
ナルトとは度々、【念華微笑の術】という術で連絡を取り合っており、今回、待ち合わせ場所として指示されたこの廃墟に、ダンゾウの眼を盗んで、二人は来たのだ。
しかし、待ち合わせ場所に来たのは、ナルトではなく見知らぬ人間。
左近と鬼童丸が警戒するのも無理はなかった。
一方、水月は再不斬の首切り包丁が目的で、ナルト達と行動を共にしている。
前以って、元・音の五人衆の二人である左近と鬼童丸の事は聞かされていたものの、自分の情報も既に彼らに伝わっていると思っていた為に、水月は聊かナルトを非難した。
『ちょっと!いきなり攻撃されるとか聞いてないんだけど!?なんで顔見知りじゃなくて、ボクを寄越したわけ?』
今回の待ち合わせ場所へナルトに指示されて向かったものの、顔見知りである君麻呂や多由也のほうが適任だったのではないか、と言外に告げると、脳裏で謝罪と共にナルトが説明する。
その説明を聞くうちに、水月の機嫌も徐々に治まってきた。
『───というわけだ。お前が適任だろう、水月?』
『あ──…そういうことね…』
納得した水月が左近と鬼童丸に顔を向ける。
ナルトの説得でようやっと警戒態勢を解いてくれた二人に、水月は本題を切り出す。
現在『根』に潜入し
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