猫娘と職場体験編
NO.035 合同職場体験・一日目の夜
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「頑張ってねー!」
出久はそれで崖を足場がありそうな場所へと爪を伸ばしては岩に刺して落ちないように移動をしていく。
普通ならそういうのに適した安全な道具も必要となってくるが、個性があるのであれば別になってくる。
さらにはもう夜なのだから慎重に登らないと真っ逆さまに落下してしまう。
「慎重に……慎重に……」
そう言いながらも何度も素早い動きで登っていく出久の姿を見て、
「おー。最初にしては中々な登り具合じゃないか」
「やっぱり私達の目に狂いはなかった感じね」
「にゃはは。いい掘り出し物だねー、あの子」
三人は鍛えがいがありそうだと思いながら出久が屋上まで登り切るのを待っていた。
しばらくして出久がなんとか屋上まで登り終えると、
「みなさーん! 登り終えましたよ!」
下の三人にそう叫ぶ。
「それじゃちょっとそこで戦闘訓練でもしてみよっかー!」
「えっ?」
出久は間抜けな声を出して、ふと気配を感じて背後に目を向けてみるとそこには2mはあるであろう魔獣の姿が何体もあった。
「魔獣!?」
身構える出久だが、そこで、
『緑谷さん』
「この声って、マンダレイのテレパス?」
『その魔獣はピクシーボブが個性で作りだした土くれの魔獣よ。雄英体育祭であなたの戦闘力は知っているけど改めて見せてちょうだい』
それからマンダレイのテレパスは聞こえなくなったので、
「よし……! 魔獣は合わせて5体! いっくぞー!!」
そこから出久の戦いが始まった。
ピクシーボブはそんな出久の戦いをレーダー内臓のアイマスクで見ていた。
「うんうん。いい動きをするわね。私の土くれじゃちょっと相手にはならなそうね。あ、また一撃で一体撃破した」
「うーん……それじゃ明日は虎とグラントリノに実戦形式で鍛えてもらいましょうか」
「そうだねー」
「いいと思うよ。でも、少しだけ観察していてもったいない光景があるね」
「どう言う事……?」
「うん。出久ちゃん、強いのは強いんだけど、足技を一切使用しないのよ」
「拳一辺倒って事……?」
「そう。爪の個性も拳に分類されるから仕方がないけど、もう少し足の方にも意識を向けてもらいたいね。せっかく脚力強化なんていうスキルもあるんだし」
「そうね。そこら辺は明日のカリキュラムに入れておきましょうか」
そんな話し合いをしていながらも出久は最後の一体を撃破して、登りよりも下りの方が辛い崖をなんとか下ってきた。
「どうだった? いい運動になったかしら?」
「はい。崖登りというのも初めての体験でどこの筋肉を使って登るのかとか考えさせられました」
「魔獣に関してはどうだった……?」
「はい。それなりに良い訓練が出来ました。土
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