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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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ってしまう。痛々しく血しぶきが飛び散るが、それでもチンクは歯を食いしばってナイフを手放さず、

「まだ、だ! まだ終わってない!!!」

「なに!?」

気合いと根性の雄叫び共にゼストの右眼を斬りつけ、ほぼ同じ負傷を負わせる。更にゼストの手元目掛けてナイフを放り投げたチンクは、

「IS・ランブルデトネイター!!」

と指パッチンしてナイフを爆破、ゼストの体躯が大きく吹き飛び、トンネルの瓦礫にぶつかって転がり落ちる。

「おわぁ!? 隊長がやられた!?」

「嘘ぉ!?」

ティーダとクイントもそれだけは想定外だったと言わんばかりに動揺し、ゼストの下へ駆けつける。ただ、超至近距離での爆破だったため、チンクも余波のダメージを喰らってしまい膝こそついていないが、戻ってきたトーレに支えられながらもフラフラして息切れしていた。

「ぐ、痛み分けか……」

「いや、騎士の方は戦闘不能だ。際どい所だが、チンクの勝利と言っていいだろう」

「歌のサポートのおかげっスね。肉体に負荷もかけないで一般的な強化魔法以上にパワーアップできるなんて、自分でも驚きっス」

「しかも効果範囲は心次第だってんだから、ぶっちゃけあの子がやろうと思えば加護は無限大に広がるのよねぇ。それこそ次元の壁を越え、銀河の果てまでも届くほどに。ま、今回みたく逆に狭まるってこともあるようだけど、そこは本人のさじ加減のようね」

「ん……やっぱり、シャロンの歌は良いな。俺の中の破壊衝動もある程度鎮めてくれた」

「破壊衝動って、なんかゾッとする話っスねぇ〜……って君、いつの間にいたんスか!?」

「今来た」

いきなり現れたケイオスに彼女達も局員達も驚いているが、私は彼との合流で一気に安心感を抱いた。たった二日で彼に対する信頼がかなり高くなっていたようだ。

「歌が聞こえたから場所がすぐわかった。だけど……こんな辛い感情が乗った歌は好きじゃない。シャロンの怒りが伝わってくるから……彼女をこんな気持ちにさせた連中に腹が立つ」

左手に持ってる機械仕込みの太刀をちらつかせたケイオスは、クイントに支えられながらゆっくりと立ち上がったゼストに対し、暗にイラつきをぶつける。

「一人の女を優先し……結果、世界が滅ぶのを……お前は善しとするのか……」

「世界か……俺は……ずっと後悔してた。自分の気持ちを抑え、世界のために彼女をこの手で殺めたことを」

「? 一体、何を言っている……?」

「一方的に知ってるだけだった。一方的な片想いだった。最初のドライバーから彼女のことを聞いてる内に、もっと知りたいと、話してみたいと思った。だが世界は彼女を許容しなかった。世界を存続させるために、彼女は殺されなくてはならなかった。だから俺はやった、それ
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