暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第258話 心に届く想い
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スナとキリトの家で同じ様にしていれば、今から移動する必要などない。 

 少しのタイムラグで良い。少しだけ、2人のやり取りを離れた所で見ている。自分が入るのはその後。アスナとエリカ(母)の話が終わってから。
 
 レイナは翅を広げ空高く羽ばたく。

 林道に沿って空を泳ぎ、軈て見えてくる1つのログハウス。その傍で低空飛行に移行し、アスナとキリトの家の手前で着地した。

 そして、完全に翅を仕舞い、家の扉に手を掛ける。設定では自分も入れる様にしているから、特に問題ない。あまり得意ではないが、隠蔽(ハイド)スキルを駆使して、気配を消して家の中へと。

 そこには2人がいた。アスナとエリカ。レイナには2人とも当然見覚えがある。どちらも姉のアバターだから、2人が一緒に揃っている所は違和感を覚えるのも当然だろう。

「(お姉ちゃんが2人いる、って思っちゃうなぁ……。見た目が違うから良かったけど。これで顔まで同じだったら絶対に混乱しちゃうよ……)」

 エリカのスキルは、自身の隠蔽(ハイド)スキルを看破するだけのものは持っていないのも安心出来る所だ。……盗み見(リービング)する様で、少し気が引けてしまうけれど。
 
 そんな事は知らず、アスナとエリカは談笑? をしていた。


「なんだか妙なモノね。知らない顔が自分の思い通りに動くなんて。…それに」

 エリカは爪先で何度か身体を上下させる。

「ヘンに身体が軽いわ」
「そりゃあそうよ。そのアバターの体感重量は40Kgそこそこだもの。現実世界とはずいぶん違う筈よ」

 微笑を交えながらアスナがそう言う。でも同じ女同士とは言え、体重の話はあまり頂けないのだろう。京子は不愉快そうに眉を寄せた。

「失礼ね、私はそんなに重くありませんよ。――――そう言えば、あなたは向こうと同じ顔なのね。玲奈もそうなの?」
「う、うん。……まぁね」
「ふぅん……。でも少し本物の方が輪郭がふっくらしてるわね」
「母さんこそ失礼だわ。現実と全く一緒です!」
 
 言葉を交わしている2人。 それを静かに見ているレイナ。

「(お母さんとこんな風に話しをしてるお姉ちゃん…… いついらい、だろう。何だか、良いなぁ……)」

 自分も、遅れてきた体で会話に加わろうか……と思いもしたが、京子の方が両腕を胸の前で組むと、軽口を打ち切る意思を示したから 止めにした。

「さ、もう時間がないわよ。見せたいものって何なの?」
「……こっちに来て」

 アスナはため息を押し殺しながらリビングを横切って、普段はアイテム倉庫に使っている小部屋のドアを開けた。京子がおぼつかない足取りで付いてくるのを待って、小部屋の奥にある小さな窓へと導く。

 南向きのリビングからは大きな芝生の庭
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