暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第258話 心に届く想い
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心底心配した兄に怒られてしまっていた。
 そのこともあって、部屋に入るのは聊か躊躇してしまうのだが。

「あっ、お姉ちゃん。私のアミュスフィア、使う?」

 兄のを前提として話してしまった玲奈だが、ここで自分のもあると言う事に気付く。なぜ先にそう考えなかったのか? と一瞬疑問に思ったが 自分のアバター姿であれば 例え中身が違ったとしても気の持ちようが変わるかもしれない。だから、それを提案してみたのだが、明日奈は首を横に振った。

「レイにも、一緒に来て欲しい。……私が母さんと話す所。……レイにも見て欲しいんだ。ちゃんとやる。母さんを、今度こそ。……今度こそぶつかって説得してみせるから。それを見守ってほしい」
「っ……。う、うん。あ、でも私は……」
「ふふ。レイはあの時頑張ってくれたじゃん? 次は私。順番だよー。もし、レイも何か言いたいんだったら、私にしてくれたみたいに、私も傍にいるから。……ね?」

 明日奈は 玲奈もまだ母に言いたい事がある、というのが何処かで判っていた。
 だけど……自分と同じように言い出せないでいる事も。

「じゃあ、行ってくるね」
「うん。判った」

 明日奈は二階奥にある兄・浩一郎の部屋へと向かった。
 父親と同じく殆ど家に居つこうとしない浩一郎は、玲奈が言うまでもなく、当然まだ帰ってきてない。一応、部屋についてノックをしてみる。やはり返事はないからそのまま構わず、勝手にドアを開けた。
 
 もう――二度とこんな事はしない、と思っていたのに、これで二回目だ。

 と明日奈は何処か自虐的に笑ってしまう。
 今、笑える事 事態少しでも前進できる力を皆からもらえているんだ、と改めて心に思い、そのまま目当ての物を取り出した。それは部屋の中央にある大きなビジネスデスクの左サイドに鎮座しているモノ。アミュスフィアだ。
 
 玲奈曰く、隼人とも何度か仮想世界にて交流があるとの事。それはほぼ、レクト関係の話ばかりだが、稀に隼人の技術と知識を今後に活かしたい、という理由でちょっとした講習会もしてもらっているらしい。 
 兄の優秀さも会社での実績も知っている身からすれば、やはり凄い! と思うのが当然である。中々それを出さない様にするのも難しいと思ってしまう程に。
 そして 笑っている顔はどうしても可愛く見えてしまうから 何だかより面白くも思ってしまうのもあった。それは、明日奈や玲奈だけでなく、兄や父も同様だった様だ。仕事関係に関しては真剣そのものの表情を変えないが、それとなく聞いた玲奈との馴初めや学校でのやり取り等を訊いた時にほころぶ彼の表情を見たら、誰だってその凄まじいギャップにヤられて(・・・・)しまう事間違いなし。老若男女問わず、というのがまたすさまじい……。

 と、話が脱線しかけたの
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