第5章:幽世と魔導師
第155話「拮抗する人と妖」
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=out side=
「ここを、こうして……これは……!」
土御門家本家の資料庫にて、次期当主である澄紀は文献を漁っていた。
同時に、その文献に載っている情報を基に、ある陣をそこに描いていた。
「これは……違う。でも、取っておいた方が……いいえ、今はそこで悩んでいる暇はない。余計な事に手出しする前に、出来る事を……!」
椿と葵に喝を入れられてから、澄紀の思考は冴え渡っていた。
彼女は、才能こそあれどまだまだ未熟。
だが、その才能で文献を一気に解読し、理解を深めている。
「(曰く、現代に引き継がれている術式は、全てが“弱い”。確かに、あの二人の式姫が言う通り、文献を漁っただけでも今の術式をもっと強力に出来る。でも、今はそれでは足りない)」
確かに、文献にある術式の類を他の者達に伝えるだけでも戦力は強化される。
だが、それを澄紀は焼石に水だと断じた。
それ故の、他の手段となる陣だった。
「(ここから状況を好転させるには、さらに式姫が必要。もしくは、その式姫に匹敵する存在が。……この陣を完成させれば、式姫の召喚が……!)」
そう思考するや否や、陣を書き終える。
だが、そこで問題が一つ生じた。
「……一体、どうやって召喚を……?」
そう。召喚の方法が分からないのだ。
陣に霊力を流すまでは陰陽師や退魔士であれば誰でもわかる。
だが、そこからどうやって呼び出すかまでは分からないのだ。
「っ……こんな所で、躓いていられない……!」
なんとしてでも呼び出す。
その覚悟を以って、澄紀は手探りで式姫を召喚しようと試みた。
=なのはside=
「シュート!!」
「ファイア!」
放たれた多数の魔力弾が、多くの妖達を貫く。
……一体、これで何度目だろう。
「ふっ……!」
「はぁああっ!!」
妖の群れの中に、奏ちゃんとシグナムさんが斬りこむ。
二人だけじゃない。近接系の人達は皆切り込んでいる。
「なのはちゃん!フェイトちゃん!」
「撃ち漏らし、来たわよ!」
そして、すずかちゃんとアリサちゃんが状況の確認。
不足の事態に私達後衛担当と一緒に対処している。
アリシアちゃんは、その両方を担っている。
「神夜は蹴散らしてこい!帝!まだ行けるか!?」
「ああ!まだまだ魔力はあるぜ!」
「なら、続きを頼む!はやて!合図と共に味方がいない所に魔法を叩き込め!」
「了解や!」
そして、指示役に先程応援に来たクロノ君。
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