11部分:ファフナーの炎その十
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ファフナーの炎その十
「帝国軍の四つの艦隊ですが」
「うむ」
次の日ヴァルターはコートナーからの報告を受けていた。
「どうやら四つの星系にそれぞれ分散配置されているようです」
「四つの星系にか」
「はい。今のところ彼等は防衛に専念しているようです。そして我等の規模もあまり知らないようです」
「ふむ」
ヴァルターはそれを聞いて顎に手を当てた。そして思索に入った。
「我々の勢力を見誤っているということか」
「その可能性もあります。四つの艦隊はそれぞれ分かれて防衛にあたっていますから」
「それぞれの艦隊の規模は」
「大したことはありません。どれも最初の敵艦隊と同じ程です。ただ奥にいる艦隊だけは別です」
「というと」
「その艦隊の司令官はギャールプのようです」
「ギャールプが」
「どうやら敵の司令官の一人が出て来ているようなのです。どうも陣頭指揮を執るつもりのようで」
「そうか、敵の司令官がわざわざか」
彼はそれを聞いて呟いた。
「だが他の艦隊の規模を考えると。どうにも杜撰さがあるな」
「やはり我々の戦力を見誤っているのでしょうか」
「その可能性はあるな。おそらく先の三つの艦隊は補助戦力だ」
「はい」
「ギャールプ自身が率いる艦隊こそ主力だ。おそらくこの艦隊はかなり強力だ」
「ではまず彼の艦隊から」
「いや、ここは枝から取り払っていこう」
しかしヴァルターはそれをよしとはしなかった。
「枝から」
「そうだ。これより我が軍はこの三個艦隊を以って機動戦を仕掛ける」
彼は言った。
「敵艦隊を一個ずつ各個撃破していく。よいな」
「ハッ」
「そしてその後でギャールプの艦隊と決戦を挑む。それで異存はないか」
「司令」
「アイスリンガー提督」
ここでアイスリンガーが前に出て来た。
「その案で基本的にはいいと思いますが」
「不備がある。と言いたいのだな」
「御言葉ですが」
アイスリンガーは述べた。
「幹を倒すのにはまず枝からと申されましたが」
「駄目か」
「いえ、大筋においてはいいと思います。ただ」
「ただ。何かあるのか」
「その際ギャールプの艦隊を常に捕捉しておくことが重要であると思います。彼の動きで今後の戦いが決まります」
「彼の艦隊か」
このことを問うた。
「はい。当然他の三艦隊もそれは同じですが。そしてこちらは迅速に動き彼等に動きを掴ませないのが肝心です」
「わかった。それではそうしよう」
「はい」
「まずはギャールプの艦隊を警戒せよ」
話を聞いたうえで命じる。
「はっ」
「それに注意を払いつつ各艦隊を各個撃破していく。それでよいな」
「わかりました。それでは」
「その際惑星占領は後回しにする」
「宜しいのですか?」
「まずは敵艦隊を倒
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