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翠碧色の虹
第二十五幕:蒸気と舞う虹
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んとっても嬉しそうです♪」
時崎「七夏ちゃんのお父さんも!」
七夏「はい☆」

途中駅での写真撮影が終わった後、再び客車に乗り込む。

直弥「失礼いたします! 乗車券の拝見をさせて頂きます!」

七夏ちゃんのお父さんが乗車券の拝見に回ってくる。

凪咲「あなた!」
七夏「お父さん!」

俺も、イベント用の乗車券を直弥さんに見せると、本日の日付が入った記念スタンプを押してくれた。
乗車券の拝見が終わると、再び列車は動き出す・・・またしても俺の予想とは異なる方向に・・・。

時崎「あれ!? このまま後退してる!?」
七夏「くすっ☆」

今来た線路を列車はそのまま後ろに進み始めた。「C11機関車」が客車を押す形になっている。機関車が客車を引っ張るイメージしかなかったので、とても不思議な光景だ。

凪咲「推進運転って言うのよ」
時崎「え!? すいしんうんてん?」
凪咲「ええ♪」

凪咲さんのお話によると、用途は限定的だが、機関車が客車を押す運転を「推進運転」というらしい。「C11機関車はテンダー車を持たないタンク式機関車なので、推進運転も行いやすいらしい。小回りが効き推進運転も行いやすいため、今回のイベント牽引機関車として選ばれたそうだ。

凪咲「蒸気機関車の場合は推進運転の方が、お客様に優しいのよ。風向きにもよりますけど」
時崎「風向き・・・なるほど! 煙ですか?」
凪咲「ええ♪」
時崎「凪咲さんも、列車にお詳しいのですね」
凪咲「ナオ・・・主人の影響かしら?」
七夏「♪」
凪咲「私は、あまり列車には関心が無いのですけど・・・」

凪咲さんは少し照れるような表情をしながら、そう話してくれた。「関心が無い」と言いながらも、俺の知らなかった列車の事を次々と話してくれる凪咲さん・・・好きな人が好きな事、それを自然と一緒に好きになっている事が伺えた。

時崎「逆方向に走っていると、今まで後ろ側だった客車は景色が良さそうだね!」
七夏「くすっ☆」

列車はゆっくりとイベント会場へと戻る。数十分程の事だったが、俺自身とても楽しめた。

七夏「駅に到着です☆」
凪咲「柚樹君、お疲れ様!」
時崎「はい! とても楽しかったです!」
直弥「ご乗車、ありがとうございました!」
凪咲「あなた! お疲れ様♪」
直弥「ああ。今日はありがとう!」
七夏「お父さんっ! また後で☆」
時崎「ありがとうございました。とても楽しかったです!」
直弥「こちらこそ! 嬉しいお言葉、ありがとうございます!」

再び、イベント会場の本館へと向かう。直弥さんは「C11機関車」を機関庫へ戻し、午後からもう一度、同じイベントを行う予定だそうだ。
今、俺の居る場所からはイベント会場、転車台と扇形の機関庫が全て一度
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