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翠碧色の虹
第二十五幕:蒸気と舞う虹
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ジ規格になります!」

この「C11機関車」の鉄道模型・・・記念にほしいと思った。しかし、値段が結構するので迷う・・・どうしようかな。

時崎「お値段が結構しますよね」
店員「そうですね。それだけ精密に出来ていますので。こちらの『C11機関車』は、後退や推進運転用に後ろ側のライトも点くようになっています!」
時崎「そ、そうなのですか!?」

さっき、凪咲さんから聞いたキーワードに背中を押され、買ってしまった。けど、いい思い出になると思う。

店員「ありがとうございます! こちら、『C11機関車』お買い上げ特典。当イベント協賛の水族館入場チケットをお付けいたしますね!」
時崎「え!? 水族館!?」
店員「はい! 2つ隣の駅になります。よろしければ是非!」
時崎「ありがとうございます!」

「C11機関車」の鉄道模型の購入で思ってもいなかった特典「水族館の入場チケット」を2枚貰えた。七夏ちゃんと一緒に見にゆけるといいなと思ってしまう。
あと、他のイベントの案内のパンフレットもいくつか頂いた。

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

民宿風水に戻る前に写真屋さんへ寄り、今日撮影した写真を現像依頼する。全て依頼したいところだか、結構な枚数になる為、良いと思う写真を選ぶ。以前はフィルムごと渡していた為、実際に写真が出来上がるまでどんな状態か確認出来なかった。今はメモリーカードを機械に読み込ませると、撮影した写真が機械の大きな画面に表示されるので、その中から現像依頼したい写真を選らんでゆくだけだ。大きな画面に映し出された七夏ちゃんや凪咲さん、直弥さん・・・そして俺・・・。直弥さんに「七夏ちゃんと二人っきり」を撮影してもらった写真を見て、周囲が気になってしまった・・・俺と店員さん以外は居ない事は分かっていたのに。
写真の中で蒸気機関車と一緒に楽しく弾んでくれた「ふたつの虹」・・・俺の記憶の中にある「ふたつの虹」とは違うけど、どっちの虹も真実だと思う。

時崎「ありがとう。七夏ちゃん」

どうしてか分からないけど、感謝の気持ちが溢れ出て来て言葉になっていた。選んだ写真をプリント依頼する。仕上がりが楽しみだ。

これからも「ふたつの虹」・・・七夏ちゃんが楽しく弾んでくれる事を願っていると、民宿風水へ戻る足が急かすかのように早くなってゆくのだった。

第二十五幕 完

−−−−−−−−−−

次回予告

いつも優しく手を差し伸べてくれる「ふたつの虹」。俺の手は震えて上手くつなげなくなりそうだ。

次回、翠碧色の虹、第二十六幕

「虹をつないで」

つなぎ止めておきたいと思う気持ちが見え始めると、思うようにゆかなくなってくるものなのか。

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