第85話 後始末は自分の手でつけるのが世の中の鉄則 その2
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ように見えたらしく、それが気に入らなかったのだろう。
はやての顔を掴んで無理やりなのはから引き剥がしてしまった。
こいつもこいつで相当力を持ってそうだ。
「何するんやフェイトちゃん! 邪魔せんといてな」
「抜け駆けは許さないわよはやて! 先に私が此処に来たんだから」
「そないな事言うたってフェイトちゃん全然ひっついとらんかったやん。せやから私が先にいかせてもろうたんや!」
「何ですって?」
「不満みたいやなぁ?」
互いに激しくにらみ合う。こいつら何でなのは絡みになるとこんなに仲悪くなるんだよ。
銀時となのは(シュテル)の目の前で二人して腕を組み合ってまるで今にもレスリングでも始めようかと言う姿勢を構えている。
ガキンチョのレスリングなんて誰得なんだよ。
色っぽい姉ちゃん同士のレスリングならまだ興味はあるだろうが生憎どっちも出るとこ出てなくて引っ込むとこ引っ込んでないガキンチョに過ぎない。
アダルトで大人な銀時には到底興味すら沸かない年頃の子供の喧嘩を欠伸交じりで眺めていた。
「お前ら、家の家具壊したら弁償だからな」
一応こう言って釘を刺しておく。万が一家具の一つでも壊そう物ならあのゴリラ局長に賠償金しこたまふんだくってやろう。
そんな意地汚い事を考えながら、ふと視線を下に向ける。
銀時の腕に未だにしがみついたまま生まれたての小鹿の如く震えるなのは(シュテル)の姿が其処にあった。
(おい、演技忘れるなよ)
(は、はい! ででで、ですが・・・どうにもあの二人は苦手でして・・・)
(気持ちは分かるがもうちっと堂々としろ。そんなんじゃお前がなのはじゃねぇって奴らにばれちまうだろうが)
(す、すみません)
シュンとしてしまいそっと銀時の腕から離れる。
彼女の内情を秘密にしているのは何も面倒なだけではない。
シュテル自身がなのはの別人格と言うのがどうにも嘘くさく感じたからだ。
もしかしたら、彼女には何か皆に言えない秘密のようなものがあるのやも知れない。
だが、どんな秘密を腹に抱えていようとも、今は銀時の娘だ。その内自分から明かしてくれる日を待つ事にしよう。
きっと、そう遠くない日に彼女は打ち明けてくれるだろうし―――
「おい、お前ら。依頼しないんだったらとっとと帰れよ」
今はとにかくシュテルの事については深く考えないようにしよう。
そう自身の考えを切り替える為に、銀時は目の前で何時までも喧嘩をし続けているフェイトとはやてを呼びつけた。
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