第85話 後始末は自分の手でつけるのが世の中の鉄則 その2
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したいと言う気持ちはよく分かった。だが事は一刻を争うんだろ? だったら何をすれば良いのか要点だけを教えてくれよ」
「そうでした。私とした事が迂闊でした。それではこのイチゴが如何に危険な知的生命体なのかご説明いたしましょう」
「いや、説明は良いから」
「まず、このイチゴ全般に言える事なのですが。彼らは全て外宇宙から飛来してきた寄生型知的生命体である事が判明しました」
「おいぃぃぃぃぃ! 何勝手に俺のイチゴちゃんをグロテスクな代物に仕立て上げてんだぁぁぁぁ!」
生物兵器ときて、今度は知的生命体。挙句の果てには寄生生物と来た。こいつはイチゴ一つでどれだけ話の風呂敷を広げられるんだろうか。
正直ただのボケキャラでも此処までボケるような真似はしない。
「まず、こちらの写真をご覧になって下さい」
頭を抱える銀時を無視するかの様に、シュテルはボードに一枚の写真を張り付けた。
其処には大きく美味そうに実ったイチゴと、それを貪る小型の昆虫の写真が載っている。
「これが何だよ?」
「見て分からないのですか? 彼らはこうして自らの肉体を他の生命体に捕食させる形で捕食者の体内に寄生する行為を行っているのです!」
「だからイチゴは果物なんだよ! そんな事言ってたら世のイチゴケーキとかイチゴショートとかどうすんだよ?」
「この事態に感づいたのは恐らく私達だけに他ならないでしょう。事は一刻を争います。人類全てがイチゴに汚染されてしまう前にこの悪しき知的生命体を駆除しなければならないのです!」
「いや、無理だろう。イチゴなんてごく普通の一般家庭にも出回る奴だぞ。下手すりゃ江戸市民全員イチゴ食ってるだろう」
「そ、そんな・・・何てことですか・・・私達のやってきたことは・・・全て遅すぎたと言うのですか・・・くっ、私がもっと早くこの生命体の恐ろしさに気づけばこんな事には―――」
「オーーーイ、いい加減にしないとそろそろお父さん怒るぞぉ。シリアス銀さんみたいに目とか吊り上がって怒るぞぉー」
「こうなれば、急ぎ対寄生型知的生命体抹殺用のワクチンを生成し、奴らが猛威を振るう前に全て除去するまで! しかしその為にはまだまだサンプルが足りない。背に腹は代えられません。こうなれば江戸中にあるイチゴを全て回収し、ワクチンを生成した後に他は全て廃棄処分にして―――」
ここら辺りが限界だった。
一人で変な世界に没頭し続けるシュテルの脳天に銀時の拳骨が炸裂し、恐ろしいイチゴ達による江戸洗脳計画(妄想)は幕を閉じたのであったそうな。
「ったく、いい加減にしろっての。何時までそんな馬鹿みたいな妄想してんだお前は」
「いつつ・・・な、何故私は殴られたのですか? まさか、ワクチンを用いる事にお父様は反対の姿勢なのですか?」
「ちげぇよ
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