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駄目親父としっかり娘の珍道中
第85話 後始末は自分の手でつけるのが世の中の鉄則 その1
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なのはだったらこんな精密機械なんて弄れないだろうし、仮に弄ったとしても数回叩いた時点で癇癪起こして叩き壊す未来しか見えない。
 ともあれ、まずはイチゴ牛乳の作り方をレクチャーせねばならない。でないと、今後のイチゴ牛乳人生が危ぶまれてしまいかねないからだ。それは銀時からして見れば死活問題に匹敵すると言える。

「良いかシュテル。イチゴ牛乳ってのはだなぁ。イチゴと牛乳をミックスする飲み物なんだよ。別にイチゴから出たお乳を呑む訳じゃねぇんだ」
「それは本当ですか!? 私はてっきりこの箱に乗っている摩訶不思議な生き物がイチゴ牛乳とやらを生成するのかと推測していたのですが」

 シュテルがじっと眺めているのは空になったイチゴ牛乳のパックだった。
 その側面には中身を連想させるであろう可愛くイラストアップされたイチゴの絵が描かれている。大きなイチゴをド真ん中に置き、その真ん中に目と口を付けた所謂可愛いキャラクターをイメージして作ったのだと思われる。

「それにしても、多くの店を見て回ったのですが、このような顔をしたイチゴは見当たりませんでした。一体どこに行けばこの顔を持つイチゴを手に入れられるのでしょうか?」
「おい、それは販売用に業者が書いた架空のキャラクターだぞ。現実には居ない奴をどうやって探せって言うんだよ」
「何ですって! 現実には存在しない生き物なのですか!?」

 途端にシュテルが大きく目を見開き、カルチャーショックでも受けたかの様な驚愕の顔をし始めた。まるでどっかの推理系の漫画などで閃いた瞬間や驚愕の瞬間を目の当たりにした場面を思わせる。
 
「こうしてはいられません! すぐに対策を講じなければ!」
「は? 対策!? 一体何の話だよ」
「現実世界に居ないと言う事は恐らくこの生き物が生息しているのは多次元世界・・・嫌、もしかしたら異次元、それとも平行世界、嫌別世界と言う可能性も捨てきれない・・・それとも、まだ人類に発見されていない未知の知的生命体と言う仮説も・・・嫌、或いは遺伝子操作をした作り出された生物兵器と言う線もある。もしそうだとしたらこうしてはいられません! すぐにこのイチゴと言う生物についてのデータを取らねば!」

 一人ブツブツ言っていたかと思ったら今度はまたしても操作パネルを弄り始める。今度出て来たのはひと昔前にあった蛙の解剖実験を行うようなデスクがせりあがって来た。
 多数のメスやハサミ。他には注射器や医療器具。更には多種多様な薬品やホルマリン漬け用の瓶などが多数セッティングされている。

「おい、お前何やってんだよ?」
「お静かに願います。今から私はこのイチゴについて詳細なデータを取らねばならないのです。全てが手遅れになる前に対策を講じなければ間に合いません!」
「嫌、だから何でそれでイチゴの
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