第85話 後始末は自分の手でつけるのが世の中の鉄則 その1
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思っていたそうだ。
「おい嬢ちゃん。何か食っていくかい? それとも食わねぇんなら営業妨害になるから帰ってくれるかい?」
「あぁ、はいはい。んじゃさぁ・・・なんでも良いから肉ちょうだい。後こいつらが飲んでるのあたしにもちょうだい」
「あいよ」
結局、銀時だけでなくアルフの分もザフィーラが受け持つ羽目になってしまった。
まぁ、財布の中身的に問題はないので良いのだが。
***
気が付けば、空に浮かんでいる月が西側に傾きつつある時刻まで三人は飲んで食ってを続けていた。
嫌、正確には二人だけだった。
と、言うのもアルフは途中で撃沈し、机の上に突っ伏して静かに寝息を立てていた。
普段から余り酒は飲む方じゃないのだろう。コップ数杯飲んだ時点で顔が真っ赤になり、そのまま倒れ込んで眠ってしまった。
何とも初々しい酔い方だったとこの時の二人は思っていたそうだ。
んで、銀時も相当酔いが回ってきたのかフラフラしている。
悪酔いとまではいかないがギリギリのラインいっぱいいっぱいで踏ん張っていると言った現状だ。後少しで瓦解してしまう銀時ダムの明日は如何に―――
そして、ザフィーラもまたついつい飲み続けてしまったのか、やはり頭が多少ふらつく感じはする。
自分で気を付けようと言ったのにこのざまでは何とも情けない。幸いなのは他の騎士達が居なかった事だろう。
特にシグナムなんかに今の自分の有り様を見られようものなら得物片手に追い掛け回される事間違いない。
そう思うと暖かい屋台の中で何故か背筋が冷たくなるのをこの時のザフィーラは通関したと言う。
「お客さん、そろそろお帰りになった方が良いんじゃないんですかい? そちらのお嬢ちゃんはもう寝ちゃってるみたいだし」
「そ、そうだな・・・銀時。勘定は置いておく。釣りはお前にやる」
銀時の傍に勘定を置くと、静かに眠っているアルフをそっと抱え上げて背中に背負った。
この時、お姫様抱っこじゃないのは雰囲気的にカップルに見られないようにする為の配慮だと後に語る。
決して彼女の胸元にある二つのふくよかな膨らみを背中で感じたいと言う邪な考えがあった訳ではないと此処に書き記しておく。
真相は知らないけどね―――
「んだぁ? お前らそのまま二次会でも行くのかぁ? それともホテルにでも直行ってかぁ? 熱いねぇお前ら。ヒューヒュー」
「馬鹿を言うな。俺とこいつは同じ屯所で寝泊まりしているからついでに連れて帰るだけの事だ。それ以外にはない」
「けっ、つまんねぇの。ま、良いさ。ちゃんと釣りは頂いていくぜ」
「あぁ」
それだけ言い残し、ザフィーラはアルフを背負って夜の街へと歩いて行った。
二人とも相当酔っぱらっていたが、
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