第五幕その九
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「いいね」
「はい、ドイツビールまであるなんて」
「素敵だね」
「だよね、和歌山にいてだからね」
「ドイツのビールを飲めるのは」
「凄いよ」
本当にというのです。
「想像もしていなかったよ」
「吉宗さんも驚いているかな」
「絶対にそうだよ」
王子は先生に確信を以て答えました。
「こんなのとてもね」
「想像も出来ないね」
「吉宗さんはドイツ知らないよね」
「当時ドイツはまだなかったからね」
吉宗さんの時代はです。
「鎖国していても海外の情報は入っていたからね」
「それでもなんだ」
「うん、ドイツじゃなくてね」
今のドイツではありません、この国とは。
「神聖ローマ帝国の頃だね、しかもね」
「その神聖ローマ帝国の中でね」
「バイエルンとかザクセンとかプロイセンに分かれていてね」
「ドイツが沢山の国に分かれていたね」
「その頃だったよ」
日本で吉宗さんが藩主や将軍様をしていた時のドイツはというのです。
「丁度ね」
「そうだったんだね」
「そしてね」
さらにお話する先生でした。
「オーストリアもハプスブルク家の頃だったよ」
「皇帝だったね」
「そう、その頃でね」
「ドイツは存在すらしていなかった」
「今のドイツという国はね、ただオランダはあってね」
この国は存在していたというのです。
「幕府が出来た頃から国としてお付き合いがあって」
「吉宗さんの前からだね」
「それで吉宗さんはオランダの本を日本に入れることを許したんだ」
「吉宗さんからだったんだ」
「日本でオランダ、西洋の本が読まれる様になったのはね」
「吉宗さんはそのことでも貢献しているんだ」
「そうだよ、ここから蘭学がはじまったんだ」
江戸時代のこの学問はというのです。
「西洋の医学も入ったしね」
「ターヘルアナトミアだね」
「その本も出来たんだよ」
先生はとても大きなジョッキでビールを飲みつつ王子にお話しました、先生の周りでは動物の皆もソーセージやジャガイモ料理を楽しんでいます。
「そしてさらにね」
「蘭学は発展していったんだね」
「そうだったんだ、平賀源内さんも出たし」
「ええと、その人は確か」
「吉宗さんの後の時代の日本の学者さんでね」
「色々やってなかった?エレキテルとか」
「していたよ、歌舞伎の脚本も書いていたし」
そうしたこともしていたというのです。
「色々マルチな才能があってね」
「活躍していたんだ」
「そうなんだ」
平賀源内という人はというのです。
「その人も出て来たんだ」
「吉宗さんからだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「この人からね」
「そう思うと吉宗さんの功績って大きいね」
「全くだね」
「うん、僕も吉宗さんみたいにならな
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