第31話 第5次イゼルローン要塞攻略戦
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、第八艦隊九千隻がトールハンマーの射程限界を正確に測定し、その線上を軽快に出入りし敵艦隊の突出を誘う。同盟軍の艦隊運動は帝国軍のそれに比べて遙かに勝っていた。
帝国軍でもミサイル艦隊が主力であると認識している以上、突出する訳にも行かず艦隊司令官達は神経をすり減らしながら、如何にしてトールハンマーの射程に引きずり込むかを考えていた。
帝国軍が主力だと誤認している、二千隻のミサイル艦隊は全てが艦齢20年選手ばかりの老朽巡航艦の艦首のみ新品のミサイルユニットに変えた艦であり、それを率いる旗艦は昨年除籍されて解体待ちだった。元第十艦隊旗艦FBB23ヘカトンケイルに装甲板と防御兵装を増設したのである。
密かに危険宙域ギリギリを航行して要塞死角へ向かう、ヘカトンケイル艦橋では一人の阿呆が自信に満ちた顔で作戦発動を今や遅しと待っていた。阿呆の名はウィリム・ホーランド大佐、本来であれば二千隻の分艦隊であれば最低でも准将が指揮官でなければ可笑しいのであるが、率いる艦隊が旗艦を除き全て無人艦な為、戦艦艦長程度の役職で許可されたのであるが、実際はホーランドの鼻っ柱を折っておく為に仕込まれたのである。
その時の光景が滑稽であった。
シトレ総司令官とサダ総参謀長と数人の参謀や指揮官が掛け合いで嵌めたのである。
「ミサイル艦隊の指揮官だが誰か良い人物は居ないかね」
「小官を是非」
「いや、小官こそ」
「小官にこの名誉を」
その言葉に数人の士官が素早く手を挙げ始めると提案者であるホーランド大佐も手柄を横取りされると焦って手を挙げた。
「此処は提案者たる小官に御命じください」
すると、それまで手を挙げていた連中が一斉に発言した。
「「「どうぞ、どうぞ」」」
全員が辞退した為、あっさりとホーランド大佐が指揮官に決まったのである。
その後、受け取った艦隊がロートル艦ばかりであり、積んでいるミサイルも使用期限ギリギリか期限切ればかりだと言うのも気がつかずに張り切って攻撃後に昇進する自分を夢見ながらミサイル艦隊二千隻は粛々と進む、その中に書類上は第442陸戦連隊が乗っているはずの強襲揚陸艦と笑気ガスと無気力ガスを積んでいるはずの旧帝国軍戦艦10隻も含まれていた。
リーファの作戦によりローゼンリッターは前日から浴びるように酒を飲みまくり、リューネブルク隊長やシェーンコップ達は別として一般兵達はへべれけに成っている為に、参加不能であると連絡が来た為にワイドボーンが演技しながら第442陸戦隊参加を進言したのである。
2時間ほどD線上のワルツを行いつつ、帝国軍の動きを適格にリーファ、ヤン、ワイドボーンがトレースし、ミサイル艦隊の動きを重ね合わせていく。そろそろ要塞側面に辿り着く時間になると、シトレの副官業務を行っている、リーファがシ
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