10部分:ファフナーの炎その九
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ファフナーの炎その九
「何故ワルキューレをだ」
「チューリンゲンが彼等に攻撃を受け壊滅したそうです」
「馬鹿な、有り得ない」
彼はすぐにそれを否定した。
「ワルキューレというとジークフリート=ヴァンフリートだったな」
「はい」
「彼はあくまで帝国の艦隊とその惑星のみを狙っている。どうしてそれでチューリンゲンなぞを襲うのだ」
「そこまではわかりませんが」
「チューリンゲン王家は皇室に対して最も忠実な王家の一つだった。しかもオフターディンゲン家もだ。それがどうして」
「何かの手違いでしょうか」
「ジークフリートは手違いを起こすような男ではないと聞いているが」
ヴァルターは自分で言いながらさらにわからなくなっていた。
「それがどうしてだ。まるでわからない」
「ですがそれによりオフターディンゲン卿の奥方であるヴェーヌス様が行方不明になられたそうです」
「そうか」
ヴァルターはそれを聞いて沈んだ顔になった。
「彼もまた、か」
「オフターディンゲン卿はヴァルター様がワルキューレに捕われたと聞き彼等を警戒しているとのことです」
「またわからないな」
また眉を顰めさせた。
「ヴァンフリートは武器を持たない者、女子供には手を出さない筈だが」
「それでもそうした情報が入っておりますが」
「わからなくなってきたな。どうやら銀河のあちこちで色々と起こっているらしい」
「はい」
「引き続き情報を収集していく。周囲に帝国軍は」
「あとは帝国領となっている星系だけですが」
「よし、ではその星系を占領していこう。陸戦部隊を降下させよ」
「了解」
こうして各星系に陸戦部隊が投入された。こうして周囲の帝国領は全てヴァルターのものとなったのであった。一応は第四帝国が奪還した形となった。ヴァルターはすぐに民生を安定させその国力を軍事に回していった。それにより彼は予想よりも一個多い艦隊を手に入れることができたのであった。
「我が軍はこれで四個艦隊となりました」
「うむ」
彼はザックスの艦橋で武官及び文官達の報告を聞いていた。
「まずは今の本拠地であるフランケンに防衛の為一個艦隊を向ける」
「はい」
「そして残る三個艦隊で帝国軍の攻撃にあたることにする。異存はないか」
「今のところありません」
部下達はそれに異論はなかった。
「よし」
ヴァルターはそれを確かめるとすぐに次に指示に移った。
「ではすぐにまた進撃開始だ。帝国軍は今何処にいるか」
「既に四個艦隊がこちらに向かって来ているようですが」
「四個艦隊が」
「はい。どうされますか」
「数のうえでは不利だが」
彼は考えながら応えた。
「その四つの艦隊の実情が知りたい。一体どのように展開しているか」
「ハッ」
それを受けて参謀であ
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