第9話 魔王降臨
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しかったのは同じだし、その涙に少し救われた気もしたが、もう 見たくないと、あの時思ったんだ。
「ゆ、ゆー……り………。っっ……、ちょっと、まて……」
言葉に詰まったが、それと同時にロッキーのもう1つの言葉がが頭の中を駆け巡る。凄まじい勢いで……。
「ユーリ、の子供……? だと……??」
「は、はいだす!」
「なんで、ユーリに子供がっっ!!!! 誰だ!! 相手は!!! 志津香か!? あのヘルマンの小娘かっつっ!! あの悪魔かっっ!!!」
どす黒い殺気がそこには出ていた……が、そこまで危ないものではない、と思うのは周囲の面々。所謂女の嫉妬の類だ。それも怖い……と思うが、今の絶体絶命、対魔人戦での恐怖とはまた次元が違うものだから。
「あ、いえ…… えっと、クルック―様だす」
「う、ぐ……、え、AL教の法王の……………………。アイツ、無害そうのくせに、いつの間に……… ゆ、ユーリと………」
ぷるぷると震えるサテラ。
「うっがーーーー!!! なんでだなんで!! なんでアイツまでそんな見境ない事をっっ!! あちこちに種をバラまくのは、人だった頃のランスだろっっ!!! なんでーーーーー!!!」
げしげしげし!! と大地を蹴りまくるサテラ。
「清々しい程……だな。ここまでくれば。だが、今の内だ。エール。回復をしておけ」
「っ……、は、はい」
「はー…… ほんっと色々な伝説があるけどよぉ、メチャモテたんだなぁ、エールの父ちゃんって。魔人にまで……」
ユーリの伝説は人類において語り草だ。近年では 敵視する眼が多くなったものの文献や資料の類まで改ざんした訳ではないから。
そんな先程までの死の恐怖が支配していた場が少々和やか? になったその時だった。
「なっ……!? ひっ……!?」
「ッ……!? こ、この感覚は……!?」
その瞬間に、サテラ以外の全員が膝をつく。
心臓を掴まれた様な錯覚を覚えたからだ。地に膝をついていても、まるで強力な重力波を受けた様に、叩きつけられている感覚もあった。
異様な圧迫感。その正体が姿を見せる。
「………………」
そう――魔王の降臨である。
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