第五十一話 特別講習・午前
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
のまま続けた俺のボケには佐天さんがツッコんでくるが、猿回しの注意事項とか佐天さんもよく知ってたな。
「はいはい、こんなところで突っ立ってると邪魔ですから、さっさと中へ入っちゃって下さい」
高校生達の後ろから声が掛けられる。俺の位置からは……というか、教室内から姿は全く見えないが、声からして恐らく月詠先生だと思う。
「あぁ?」
「なんだ? このガキは」
高校生達の頭の角度や言葉などからも、相手が月詠先生であることは間違いないだろう。
「先生ですよ」
『先生!?』
月詠先生の言葉に驚きの声を上げる高校生一同。まあ、身長は勿論のこと容姿やら声に至るまで、ランドセル背負ってる年齢だとしか思えないというのだから当然である。
「午前の講習を担当する月詠小萌です。嘗めた口聞いてると、講習時間伸ばしちゃいますからねー」
俺の位置から月詠先生の顔は見えないわけだが、多分めっちゃ良い笑顔なんだろうなと思う。
「はーい、ちゃっちゃと席に着いちゃって下さいねー」
月詠先生は高校生達を空いている席に座らせる。既に最前列しか空いていなかった上に、先生が来ている現状では後ろの方に座っている生徒を脅して変わって貰うことも出来ないので、高校生達は素直に空いている最前列の席に座っていた。なお、姉御と呼ばれたリーダー格が座った席は佐天さんの隣である。
高校生達が座ったことでここに来てようやくこの世界で初めて月詠先生を見たわけだが、確かにどう見てもランドセルを背負って学校に通っているぐらいの年齢にしか見えない。
「さて、皆さんちゃんと席に着きましたね? それでは特別講習を始めますよー」
こうして月詠先生の講習が開始された……かと思いきや。
「えーとー、柵川中学の神代ちゃん、居ますか−?」
「へ? ウチっ!?」
いきなり俺の名前を呼ばれて驚く。
「あー、そこに居たんですね−。それでは、これから私が説明することに間違いがあった場合とか、説明が足りない場合なんかには補足をお願いしますねー」
「え、あ、はい」
何故か月詠先生から補足をお願いされて思わず頷く。その後、月詠先生からの説明は俺が柵川中学の校長先生に説明したこととほぼ一緒だった。
「と言うわけで、皆さんがレベルアッパーを使った時に使えた能力は、演算能力さえ上げれば使うことが出来るようになるわけです」
そこまで言い終えた月詠先生が「これで大丈夫ですか?」といった感じで俺の方を見たので、俺は一つ頷いておいた。
「皆さんは本当に運が良かったんですよ−。もし、神代ちゃんが想定していたように脳のオーバードライブで能力を上げるようなレベルアッパーだったら、今頃皆さんは眠りから覚めない植物人間か……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ