第五十一話 特別講習・午前
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見た時の感覚だと佐天さん達はこの特別講習をレベルアッパーの使用に対する罰だと思っているような印象だったので、その辺の払拭も出来ればしておきたい所だと考えて話の流れを変えてみる。
「だ……だって、まさか意識不明になるとか普通思わないでしょ」
「いや、ウチは普通に死に至ることまで考えてたけど。だから滅茶苦茶必死で対策練ったんだし」
アケミさんが反論してくるが、普通というならある程度胡散臭いと感じる人が居てもおかしくないはずなのである。もし、何の副作用も無しにレベルがアップするとレベルアッパー使用者全員が思っていたのだとしたら、学園都市ではオレオレ詐欺とか振り込め詐欺辺りの成功率がかなり高くなるのでは無いだろうか。
「そんなのは神代さんだけだって」
「えー、だいたいの人は凄い能力が一瞬でも使えたら後は死んでもいいやーって思って使ってたんじゃ無いの?」
まこちんが言ってくるので、俺は逆方向に少しあり得ないような予測を言ってみる。まあ、本当に全員がそれだけの覚悟を持って使っていたのだとしたら、それはそれで凄いと思うけど……。
「そんなわけ無いでしょうが!」
俺の暴論にはムーちゃんが否定してくるが、当然俺もそう来ると思っていたのでそのまま続ける。
「でも、もしレベルアッパーが脳のオーバードライブで能力を上げてたんだとしたら、今頃皆死んでたか、意識不明のまま戻ってこれなかったでしょうね」
『うっ!』
今度は暴論で無く、レベルアッパーの物によってはあり得たかもしれない予測を出してみると四人が一斉に呻いた。
「まー、今後も何かしら似たような誘惑とかあるだろうし、その時の判断は各個人に任せるわよ。普通なら事前にメリットとデメリットの説明があるはずだからね。もし、メリットに対してデメリットが異常に軽いとか、デメリットの説明がほとんどされないようなモノだったら、レベルアッパーみたいに何か裏があると思った方が良いわよ」
今後何かの実験やら薬品の投与などを受ける際に、ことごとく俺の所へ相談に来られても困るので、その辺はそれぞれ独自に判断して貰いたい訳なのだが、全く判断材料が無いのも困るので一応基本的な所は教えておく。
「うわー、なんか今後レベル上げるのが無理になってきた気がするー」
「ん? そんなこと無いよ。だって前も言ったけど、レベルアッパーで使えてた能力までなら、演算能力上げれば自力で使えるようになるはずなんだから」
アケミさんが言ってからがっくりと肩を落としたので、一応フォローを入れておく。
「そんな簡単に言われてもねえ」
「まー、ウチには簡単だったから何とも言えないわね。というか、最初からレベル4だったから実質どうやったら演算能力が上がるのかって言うのも分から
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