第五十一話 特別講習・午前
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の世界の人みたいだよねー」
「レベルアッパーにしたって神代さんだけは倒れなかったみたいだしさぁ」
「ちょっと論文読んだだけで対策できるってどんなチートだよって感じだよねー」
佐天さんの言葉に反論すると、アケミさん、ムーちゃん、まこちんがそれぞれ言ってくる。取り敢えずアケミさんの言葉に関しては、半分ぐらい当たっているとも言えるだろうか。元の世界はともかく、以前の世界では漫画をベースにした所もあるからである。この世界は銀行強盗事件の事を考えると少なくとも漫画版では無いと思うので、アケミさんには「それならあんたらはアニメの世界の人でしょーが」と言いたい。まー、言えないけど……。
「まー、こんなところで腐っててもしょーがないし、行きますか」
ある程度呼吸も整ってきたのかムーちゃんが立ち上がる。
「そうだねー」
まこちんが答えると俺達は特別講習の会場に向けて歩き出したのである。
「こっちだってー」
玄関前に貼ってある張り紙に特別講習受講者用の案内が書いてあるのでそれを見たまこちんが矢印の方向を指差した。特別講習受講者は教員用出入り口から入らないといけないようなので、俺達は矢印の方向へと歩を進める。
「よりによってこんな日に特別講習とか災難だよねー」
教員用の出入り口へ向かう途中、ムーちゃんが佐天さんに話しかける。
「まー、仕方ないよ」
「諦め良いな−、涙子は。そんなんじゃ、幸せになれんぞ」
表情を暗くして答える佐天さんをまこちんがからかう。あー、確かこの辺はアニメで見たことあるな−、なんて考えながら俺もついて行く。
「もう、嫌なこと言わないでよ」
「涙子はもっと怒って良いんだよ」
「そうだよ。涙子は私達が巻き込んだだけなんだから」
佐天さんが無理矢理表情を作った感じで明るく返すと、今度はまこちんとアケミさんが暗くなる。発言こそないもののムーちゃんも同じように暗くなっているので、三人とも佐天さんにレベルアッパーを使わせてしまったという後ろめたさがあるのだろう。
「わ……私は巻き込まれたなんて思ってないから」
「まー、それを言えば神代さんだってほぼ関係ないのに巻き込まれてるもんねー」
「何故か話の流れがウチに回ってきた件」
佐天さんが今度は三人を気遣うように返すと、最初にこの空気を作ったムーちゃんが俺に振ってきた。
「確かにウチの場合はレベルアッパーって知らない時点で音聞かされちゃったわけだけど、レベルアッパーって知ってからは兎に角体とか脳がおかしくならないように調べまくったからね。そもそもレベルアッパーの効果を知った時点で胡散臭いと思わない方がどうかしてると思うんだけどねー」
折角俺に振られたわけだし、アニメで
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