第二章
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「ぐるなびやホットペッパーにも乗せてね」
「いい感じよね」
「うん、都島でも上の方の喫茶店らしいよ」
大阪市都島区のだ。
「だから売り上げもね」
「そこそこなのね」
「うん、あえて言うとみちるが思ってるよりはね」
「あら、そうなの」
「うん、ただね」
ここで眉を顰めさせて言う道明だった。
「親父が他のところにも借金してたじゃない」
「ああ、それね」
「そっちは何とか返せたけれど」
「何とかなのね」
「まだ辛いよ、状況は」
「そうなの」
「俺も高校卒業したらね」
その後はとだ、道明はみちるに話した。
「ここで働くつもりだよ」
「大学進学しないの?」
「そう考えてるよ」
「私と一緒に八条大学行くって言ってたけれど」
「残念だけれどね」
それはという返事だった。
「もうね」
「出来そうにないの」
「お金がないから」
学費、それがないというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「うん、もうね」
「高校を卒業したら」
「ここで働くよ」
家でやっているこの喫茶店でというのだ。
「そうするよ」
「そうなのね」
「まあ高校を卒業出来たらいいよ」
「それでいいの」
「公立の学校でよかったよ」
今度は学費のことを話す道明だった、高校時代のそれを。
「もうね」
「諦めてない?」
「諦めてるっていうかお金がないから」
それでというのだ。
「もうね」
「仕方ないっていうのね」
「お金がないならどうしようもないよ」
大学に行きたくても行けないというのだ。
「だからね」
「ここでお店やってくのね」
「そうするよ、また言うけれど高校を卒業出来たらね」
それでというのだ。
「いいから」
「折角大学も一緒にって思ってたけれど」
「それは仕方ないよ」
「そうなのね」
「うん、みちるはこのお店でアルバイト続けてくれるよね」
「そのつもりよ」
「お店で会おうね」
道明は諦めている声で言うだけだった、だが鈴音はあえて息子に話した。
「奨学金はどうかしら」
「それ後で払えなくなるって話があるから」
母にもだ、道明は諦めている言葉を返すのだった。
「だからね」
「いいの」
「うん、いいよ」
こう言うばかりだった。
「それに人手があった方がいいよね」
「平日のお昼はお母さんだけでも充分よ」
「いや、いいから」
「そうなの」
「お袋からコーヒー以外も教わるから」
店のことに無理矢理当てはめていた、だが鈴音もみちるも道明が無理をしていると見ていてそれはその通りだった。
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