137 高原
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くはあいつとは会う事ないと思うしね・・・」
あの校内テロの後、堀内と彼に協力した隣町の暴れん坊は少年院に入る結果となった。彼らには悪いがたかしは気が楽になった。
「でも、あいつにタロを殺されそうになったし、せいぜいしたよ」
「そうね、私もあいつ嫌いだし、同じ気持ちよ」
「うん、そうだね」
「もうそんな嫌な事忘れて今日は楽しもうっ!」
「うん!」
たかしは城ヶ崎にやや赤面した。
ヒデじいが運転し、四人と四匹を乗せたバスはとある高原へと到着した。その高原では雪が沢山残っていた。花輪家の別荘もその場所に存在していた。
一行は花輪家の別荘に入る。その時、初老の夫婦が出迎えた。
「この別荘を管理しております田さんご夫婦でございます」
ヒデじいが紹介した。
「よろしくお願いします!!」
皆は挨拶した。
「どうぞ、よろしく」
田夫妻も挨拶を返した。
「それじゃあeverybody、荷物を置いたら一休憩して、高原で遊ぼうじゃないか」
花輪が提案した。
「ええ、楽しみだわね〜、花輪クンとお散歩だなんてえ〜」
みぎわの非常に暑苦しい恋心に何も言えない一同だった。
四人とそれぞれの飼い犬達は雪の野原を駆けまわっていた。
「みんな雪が嬉しいみたいだね」
「ええ、私も花輪クンと一緒で嬉しいわあ〜」
「もう、いい加減離れてくれよ、baby・・・」
そんな暑苦しい二人のやりとりはさておき、たかしはタロが犬の友達と仲良くしている光景を見て感動していた。
「よかったね、タロ・・・。楽しくて・・・」
「あ〜ら、西村君、感動してるの?」
みぎわが聞いてきた。
「うん・・・。僕、こうして見ていると、犬を飼ってよかったなって思えるんだ・・・。特に何かいい所があるわけでもないからさ・・・」
「そんな事ないわよ・・・」
城ヶ崎が心配そうに言った。
「でも僕なんて、花輪クンみたいにかっこいい所があるわけでもないし、みぎわさんのバレエとか城ヶ崎さんのピアノとか、藤木君のスケートとか、まるちゃんの絵とか何か得意な事があるわけでもないし、長山君とか丸尾君みたいに勉強ができるわけでもないからね・・・。タロが幸せそうな所を見ると、僕もいい気分になるんだ」
「西村君・・・」
みぎわも、花輪も、城ヶ崎もたかしの気持ちについてしみじみとなってしまった。
「He、hey、それじゃあ、僕達も一緒に遊ぼうじゃないか」
花輪が提案した。一同はまずは雪合戦を行った。通常の雪合戦とは異なり、飼い犬の投げた雪玉が相手の飼い犬に取られたら失敗で、飼い主に当てなければならないというルールで行われた。二人のペアに別れ、どちらかに二発当てたペアの勝ちとした。じゃんけんの結果、花輪と城ヶ崎、みぎわとたかしのペアになった。みぎわは花輪と
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