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我が剣は愛する者の為に
これから
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「待ってくれ!!」

後ろから声をかけられたのは。
俺達は振りかえると、美奈を抱えて走る丁奉の姿が見えた。
ここまで走ってきたのだろう。
肩で息をしながら丁奉は言う。

「儂をお主達の旅について行かせてくれないか?」

「えっと・・・どうしてだ?」

一刀が丁奉に理由を聞いた。

「一言で言うなら関忠、お主の様な王に仕えてみたいと思ったからだ。」

どうして、丁奉が俺が王を目指す事を知っているんだ?
ちょっと考えて、思い出した。
あの時、森で一刀が話をしていたのはこの事だったのか。
俺は一刀に視線を向けると、明後日の方を向いていた。
あの野郎。

「丁奉、俺はまだ王でも何でもない。
 ただの旅人だ。
 それに娘さんもいる。」

「覚悟はできている。
 娘も承知の上だ。」

美奈の方に視線を向けると、笑顔を浮かべきた。
本当に承知しているのか疑問に思った。

「お主には恩がある。
 娘を救ってくれた恩が。
 何より話を聞いて、儂の中の血が騒いだのだ。
 かつて、一人の将としてこの国を救おうと思い、武将として活躍していたあの血が。
 お主の元でこの斧を振り、戦いたいと。」

決意の灯った眼で俺を見てくる。
見つめ合う事、数分。
はぁ〜、と俺はため息を吐いた。

「美奈もついて来るなら俺も全力で守らないとな。」

「では・・・・」

「これからよろしく頼む、丁奉。
 いずれ、俺の国ができた時、その力と経験と知恵、存分に発揮してくれ。」

「忠義の証に儂の真名を預ける。
 儂の真名は豪鬼。」

「美奈は美奈って言うよ!」

豪鬼の紹介を聞いて、美奈も自分の名前を預けてくれる。
てか、真名だったのか。
豪鬼を見ると、気にはしていない、と言ってくれた。
太史慈を除いた俺達は真名を預け合った。
こうして、一刀に続く俺の臣下であり、仲間が増えた。

「では、改めて出発するか。」

豪鬼は美奈を馬に乗せ、俺達は街を出発した。
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