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我が剣は愛する者の為に
これから
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もしれませんが、皆さんの安全や生活面は保障できます。
 どうでしょうか?」

皆の顔を見渡すように太史慈は言う。
村人は各々が俯いたり、顎に手を当てたりして考えている。
すると、その中の一人が手を挙げて言う。

「俺は移住するよ。
 今回みたいに娘が人質になるのは嫌だからな。」

その男の言葉を皮切りに、他の村人も移住するという声が出てきた。
結果、全員が街に移住する事になった。
それを聞いた太史慈は笑顔になって、頭を下げる。
村人達は移住する為に、それぞれの家に戻って準備を始めた。
地図を見ると、太史慈が指定した街のすぐ傍には荊州南陽があった。
星と一刀に確認を取って俺は太史慈に話をする。

「太史慈、彼らの護衛を手伝うよ。」

「ですが、そこまでして貰わなくても。」

「いいって。
 みんなも大丈夫だって言っているし、乗りかかった船だ。
 最後まで付き合うよ。」

「では、お言葉に甘えさせてもらいます。」

荷物を纏めた村人達が続々と集まってきた。
全員が集まると、俺と太史慈を先頭に、後ろには丁奉と星と一刀の位置で出発した。
森に待機させていた馬もしっかり回収して街に向かう。
あの村からそれほど離れていなかったので、夕方頃に街に着く事ができた。
太史慈は村の村長を連れて、その街を統治している人の元に向かった。
無事に手続きを終え、彼らはこの村で住む事になった。

「太史慈はこれからどうするんだ?」

この街で旅の準備を整えている時に俺は聞いた。

「無事に移住できたことを報告しなければなりません。」

「それってどこまで?」

「この近くの街。
 荊州南陽です。」

「それって俺達と目的地一緒じゃん。」

一刀が馬に荷物を乗せながら言う。

「なら、我らとその街までご一緒しませんか?」

対する星は街の中で美味しいメンマでも見つけたのか、酒とメンマを両手に言う。
俺はそんな星に軽くチョップを連続で頭を叩く。

「お前は準備もしないで何を食っているんだ。」

「いやぁ〜、美味しいそうなメンマを見つけてしまいましてな。
 それに合わせて、飲んで欲しいと酒も進めてくれたのですよ。」

「完全に買わされているじゃねぇか。」

「しかし、絶品ですぞ。
 縁殿もいかがですか?」

「いらん!
 そんな事より、早く準備をしろ!」

俺達がこんな会話をしていると後ろから笑い声が聞こえた。

「すみません。
 少し可笑しかったので。」

少し笑いながらも太史慈は言う。

「それでは南陽までご一緒させてもらいます。」

「了解。
 夜には街に着く予定だ。
 それじゃあ行くぞ。」

と、俺達は出発しようと思った時だった
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