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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
マシュの心象風景U
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ィスとスカサハの両者が影の国を舞台にして戦っていた。

 スカサハは人体の急所を狙った神速の連続の突きを放つ。
 彼女からは一切の手加減を感じられない。

 対するウィスは手元の杖で彼女の神速の突きを全て相殺していく。

 神速の速度で放たれる連続の突きをウィスは余裕を持って冷静に対処する。
 スカサハから放たれる攻撃をウィスは紙一重で躱し、防ぎ、時には気功波を打つことで戦う。

 両者の苛烈な戦いの余波は影の門を容易く破壊し、地形を崩壊させ、地面を抉り、暴風を周囲に撒き散らした。

 正に神話の如き戦い。

 ウィスとスカサハの2人は時間が経つにつれて徐々にギアを上げ、より速く、正確に、命を奪うべく鋭い攻撃を繰り出し合う。

 赤と青の軌跡を残し、両者は空を跳び、地を駆け抜け、己の武器をぶつけ合う。

 彼らの魔力の波動は周囲の次元を軋ませ、時空を歪めるまでに至った。







 ウィスは上空から槍を振り下ろし突貫してきたスカサハの攻撃を回避すべく後方へと跳躍する。


─はァ!─


 そして虚空に向けて正拳を一突き。
 ウィスは相対するスカサハへと向け、勢い良く拳を振るった。

 途端、前方へ突き出されたウィスの左手の拳から不可視の衝撃波が放たれる。

 その不可視の無数の衝撃波が全てスカサハの元へと向かった。



─グッ…!?…!?─

 スカサハはウィスの攻撃を避けることができず、その身を後方へと勢い良く吹き飛ばされていく。

 五臓六腑に染み渡るかのごとき壮絶な痛みを受け、スカサハは周囲の瓦礫の山を突き抜け、吹き飛んでいった。

 多くの瓦礫の山を突き抜けた彼女は最後に先程まで影の国の門であった大きな瓦礫の山へと勢い良く激突する。










─はぁ…はぁ…─

 瓦礫を押しのけ、なお立ち上がるスカサハ。

 その身は既に度重なるウィスとの攻防でボロボロになり、傷だらけであった。
 止めどなく汗が流れ、呼吸を激しく乱している。

 対するウィスは今なお無傷の健在。
 息も乱しておらず、まだまだ余力を残していた。

 明らかにこの勝負、誰の目に見ても終始ウィスの優勢であった。

 両者は互いの赤き双眸をぶつけ合う。

 だが両者は未だ互いに決定打を受けていない。ウィスはまだまだ余力を残しており、戦闘続行に問題はない状態だ。

 対するスカサハも劣勢ながらも未だ闘志は消えておらず、戦闘を続行する気に満ち溢れていた。

 スカサハの頬は赤く染めあがり、口元は口角が僅かに吊り上がっている。まるで極上の餌を見つけた獣のようだ。

 スカサハは壮絶なウィスとの戦いで身体から多量に汗を流し、大
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