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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
マシュの心象風景U
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……ですが安心してください。殺すつもりはありません。ただ死ぬ程辛い苦痛を味わうことになるだけです。全てが終わった後には余りの痛みと恐怖に私のことも忘れているでしょうが─


─ひ…っ!た──。たす、けて。助けてください。何でもします。助けてください、お願いします……!─

 実に無様に、醜くピエール・コーションは顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにし、ウィスへと命乞いを行う。


─黙りなさい。貴方に発言権はありません─

 指先からデス・ビーム。
 ウィスは肩・両肘・両膝の全てを打ち抜いていく。

 お前はそうやってジャンヌの言葉に耳を傾けたのか?


─嫌……嫌だ、嫌だ、嫌だ!!助け……たすけ、てっ……!ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア── ─

 血だまりに伏し、のたうち回るピエール・コーション。


─…ジャンヌも戦場に立った時から報いを受けることは覚悟していたことです。…ですがどうしても私は貴女方のような雑種が許せないんですよ─

 一旦言葉を切り、ウィスは目の前の男をまるで道端のゴミを見るかの如く、冷徹な視線で睨み付ける。


─…そう、策略と姑息な手を使い、集団で一人の少女を陥れようとするその在り方そのものがね─


─調べさせて頂きましたよ。貴女方が異端裁判にて行った虚偽と欲望に溢れた所業の数々を。予備審理にてジャンヌに弁護人が付くことを拒否するのに加え、ドンレミなどジャンヌと所縁のある各所から寄せられた彼女にとって有利な証言の記録を意図的に破棄するとは、随分と汚い手を使ってくれたみたいですね─


─規則に反すると分かりながらもジャンヌの牢獄の牢番に男性を就任させ、ジャンヌの足には鎖をつけたりと、何ともまあ、呆れるほど汚い方ですね、貴方は─


─それに加えて誓約書の偽装とは…。呆れて言葉も出ませんよ。まあ、ジャンヌには通じなかったようですが─

 その言葉でピエール・コーションは理解した。
 この眼前の男こそジャンヌに知識と戦闘のノウハウを教え込んだ人物だということを。


─ようやく理解したようですね、私が何者なのか。…ですが安心してください。ジャンヌを嵌め、処刑へと陥れた貴女方は誰一人として逃すつもりはありません。一人残さず地獄に送って差し上げますからね。決して貴方だけ仲間外れになんてしませんよ─


─さあ、くたばりなさい─

 指先にエネルギーを集束させ、ピエール・コーションを見下ろすウィス。
 やがて一条の閃光がウィスから放たれ─
 









─ピエール・コーションの無様な悲鳴が鳴り響いた─










─景色が変わる

 目の前には崩壊し、炎上する影の国の姿が。
 ウ
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