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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
マシュの心象風景U
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─マシュの心象風景が移り変わる─








─周囲にウィスの記憶の欠片が無数に現れる─






 

 マシュは気付けば巨大な門の前に佇んでいた。

 前方に重々しくそびえ立つは世界の理から隔絶された場所である影の国の入り口である影の門。

 重々しく、異様な雰囲気を醸し出している。

─此処が影の門─

 マシュは知らずとも此処が影の国であることを直感していた。

 目の前ではウィスが感慨深けに影の国の門を見上げている。

 途端、ウィスへと上空から攻撃を仕掛ける者が─



 奇襲を行うは紅い槍をその手に有した全身タイツ姿の女性。

 朱槍の矛先が狙うはウィスの心臓。それは完璧なる隠形によって行われた奇襲であり、並みの人間であるならばこの一撃で沈められていたことだろう。

 だが相手はあのウィスだ。
 焦ることも動じることなくウィスはその場から姿を消した。


─この程度の奇襲では流石に簡単に躱されるか─


 影の門より降り立った女性は今なおウィスへと朱槍を油断なく構え、好戦的な笑みを浮かべている。

 彼女は若かりし頃のスカサハ。
 今より数千年前の彼女本人だ。

 やはり自分は今から遥か以前のウィスとスカサハの2人の出逢いを見ているのだとマシュは確信する。

 当然、眼前のスカサハに霊器の縛りなど存在せず、神霊の存在一歩手前であった最盛期の頃の状態である。
 文字通りカルデアの彼女とは存在としての格が違う。

 その身に宿すは推し量ることも愚かな程の膨大なまでの魔力。
 文字通り、存在の次元が違う。
 その全てが高次元だ。


 


─いきなりですね。私はただ貴方に会いに来ただけなんですが─

 ウィスは両手を上げ戦闘の意思がないことを示す。


─ほう、それは私のもとに修行を受けに来たということでいいのか?─


─いえ、本当に貴方に会いに来ただけです。貴方が影の国の女王であるスカサハ本人ですか?─

 彼女こそがスカサハ、本人だと半ば確信しながらもウィスは確認の意味を込めて彼女へと問いかける。


─いかにも。私こそ影の国の女王であるスカサハだ─

 やはり彼女がスカサハ本人で相違ないようだ。

 ルビーの如き輝きを秘めた紅玉の瞳。
 女神の如く均整の取れた黄金比の肢体。

 その佇まいは洗練され、その身にはボディラインを強調するタイツを着こなしている。
 例え浮世離れした姿であろうとも非常に似合っており、彼女の美しさを更に際立たせていた。
 正に絶世の美女と呼ぶに相応しい女性だ。

 そして彼女から醸し出されるは王者の風格そのもの。


─私はウィスと言
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