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転生とらぶる
ペルソナ3
2026話
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のだ。
 こういう場合に踊るのって全員で踊るようなものかと思ってたのだが、どうやら月光祭は違うらしい。
 まぁ、後夜祭は全員参加という訳じゃなくて希望者だけだし、そう考えればおかしな話ではないのか? そう、踊りがフォークダンスであっても。

「……ねぇ」

 ゆかりがそう言いながら、俺に手を差し出してくる。
 それが何を意味しているのか、俺も分からない訳じゃない。
 その手を握り、やがて俺とゆかりはキャンプファイヤーに近づいていく。

「フォークダンスって言っても、色々と地域によって違ったりするんだって。知ってた?」
「いや。そうなのか?」

 元々俺は踊りの類はそれ程好まない。
 勿論パーティとかに参加するような事になれば、踊らない訳ではない。
 そういう時に踊るような、ある程度の踊りであれば、俺も踊れるし。
 ただ、好んで踊らないというだけで。

「そ。そんな訳で、こういう時の踊りは、どんな踊りでもフォークダンスという扱いになるのが一般的みたいよ。……まぁ、ある程度踊りの範囲は決まってるんでしょうけど」

 それは俺にも納得出来る話だった。
 後夜祭で、どこかしんみりとした空気や音楽の中、派手なダンスミュージックとかが必要な踊りをされれば、まさに空気読めという風に見られるだろう。
 順平曰く、空気詠み人知らず……ってのはこういう時に使うのか?
 ともあれ、俺はゆかりと共にキャンプファイヤーの側でダンスを楽しむ。
 ……何だか、少し離れた場所で生徒会長としてそこにいる美鶴がこっちを見ているような気がするが、俺の気のせいか?
 そんな風に考えつつも、ゆかりとの踊りは続く。
 かなり密着している状況なのはゆかりも理解しているのか、焚き火の明かり以外の理由で頬が赤くなっているように見える。
 同時に俺は、身体全体を使ってゆかりの身体の柔らかさを堪能する。

「うわっ、おい、ちょっと……あれ……」
「何て羨ましい真似を……いや、けしからん。全くけしからん」
「岳羽さん、羨ましい」
「な、なぁ。俺と一緒にああいう踊りをしてみないか?」
「嫌よ。私を誘うなら、せめて有里君くらい格好良くなってからにしてよね」

 うん? 何だか、他の場所で色々と騒がしくなっているような……まぁ、その辺りは別にいいか。
 そんな風に考えつつ、俺は踊り続け……気が付けば、周囲では俺達以外にも何人かが雰囲気を作っているのが分かる。
 学園祭を切っ掛けにして恋人とかが増えるって話を、以前友近から聞いた事があったが、恐らくそれはこういう事なんだろう。
 もっとも、それが長続きするのかどうかは分からないが。
 修学旅行前、クリスマス前……そんな風にイベントがある時、まだ独り身の男女は恋人を作る者が結構な数いるらしい。

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