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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第659話】
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」
「き、気分よ気分!」
「わたしは、本音と対面しても隣になっても……と」
よくわからないヒルトは小さく首を傾げ、取り敢えず楯無の隣に座るとトレイを置く。
のほほんさんもそれに続いてトレイを置くと――。
「ん〜。 にひひ、ここに座っちゃおー」
何やら思い付いたのか、笑顔を見せたのほほんさんは何と大胆にもヒルトの膝の上に腰掛けた。
ヒルトも一瞬意味が分からず、楯無と簪の二人は何度か瞬きをした後に『その手があったか』という様な表情を見せた。
「ん〜。 座り心地いいねぇ〜」
「い、いや、流石に人目につくから止めろって、のほほんさん?」
周囲の客もちらちらと注視し、ヒルトは気恥ずかしさを感じた。
それよりも――膝に伝わる柔らかな果肉の感触が理性を徐々に破壊していく。
ムクムクと下半身に血流が行くのを感じたヒルトは――。
「ほ、ほら、降りないと食べれないだろ?」
「本音……降りて」
「そ、そうよ? ね? ひ、ヒルトくんも困ってるし」
「はーい。 ……んじゃ、これでばっちり〜」
四人用のテーブルの合間を埋めるサブテーブルを持ってくると、のほほんさんはそれを嵌めてヒルトの隣に。
ヒルトの両隣には楯無、のほほんさん。
対面に簪という――まあ皆が満足してるならそれでいいかとヒルトは思った。
店内が喧騒で賑わい、ヒルト達も話に華を咲かせているとのほほんさんが一口ハンバーガーを頬張った楯無を見て――。
「そういえばたてなっちゃんはねー。 昔、ナクマドルドで店員さんがオーダー取りに来ると思ってて、ずっと座って待ってたんだよ〜」
突然暴露された過去話に、顔を赤くする楯無は珍しく狼狽した。
「そ、それを言うかなぁ!? 今!! だいたい、幼稚舎の時の話でしょ!?」
必死に付け加える楯無に、ヒルトはクスクスと笑みが溢れた。
「ははっ、やっぱお嬢様なんだな、楯無さんって」
「と、年上をからかわないの!」
額を叩こうとする楯無、ひょいひょいと器用に避け、時折のほほんさんの胸に肘が当たったりするが本人は気にする様子もなかった。
仲睦まじいやり取りを簪は見つつ、隣に座ればとも思ってしまった。
「あ、ついでにかんちゃんはスムーズに注文したよ〜。 前以て予習してたおかげだね〜」
「で、でも緊張した、から……」
まあ初見だと誰しも緊張はするだろうとは思う。
「あ、そういえばたてなっちゃん、ハンバーガーをナイフとフォークで食べようとしたんだよ〜。 えへへ」
「だ、だからっ! 子供の時の話は止めなさい!」
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