第五十一話 川旅その八
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「他にもヴォジャノイや大型の肉食魚がいるでござる」
「そうした連中に襲われるよな」
「左様でござる」
川に放り込まれればだ。
「そうなるでござる」
「そうだよな、じゃあな」
「川に放り込まれる即ちでござる」
「死ぬってことだな」
「下手な腕では」
川の中のモンスター達に襲われてだ。
「終わりでござるよ」
「そうだよな、川もな」
「この世界では危険でござる」
「アマゾンみたいだよな」
欧州の川に似ているがだ。
「それだと」
「アマゾンでござるか」
「ああ、雰囲気は全然違うけれどな」
欧州の趣である彼等が今旅をしているその川と密林の中にあるアマゾン川とでは流石にというのだ。
「それでもな」
「危険なことはでござるな」
「同じだな、ピラニアもいるか?」
久志はアマゾン名物のこの魚を思い出した。
「ああした魚も」
「小型の肉食魚はいないでござるよ」
「そうなんだな、この川のことは読んでなかったからな」
デルフォイにあった文献でだ。
「よく知らないんだよ」
「そうした魚はいないでござる、ただ」
「ケルピーとかがか」
「いるでござるから」
「危険なんだな」
「一番危険なのはナックラビーでござろう」
「ああ、あれは」
「久志殿も知っているでござるな」
ナックラビーというモンスターはとだ、進太も応えた。
「あのモンスターのことは」
「戦ったことはないけれどな」
「それでもでござるな」
「話は聞いてるぜ、でかくてな」
「凶暴でござる」
「人も船も襲ってな」
「とんでもないモンスターでござる」
こう久志に話した。
「あれは」
「九メートルはあるな」
芳直もこのモンスターについて話した。
「それで皮膚がなくてな」
「筋肉は剥き出しでござる」
「外見も怖いんだよ」
「一つ目のケンタウロスで」
皮膚がなく筋肉や血管が露わになっている、その異様な恐ろしい外見も恐怖の的となっているのだ。
「まことに」
「そうなんだよ」
「あのモンスターは」
進太はさらに話した。
「合うとね」
「外見もな」
「怖いものでござる」
「しかも力は強く」
芳直はナックラビーのパワーについても話した。
「非常に凶暴だな」
「だからこそでござる」
「あのモンスターが出て来たら」
「用心が必要でござる」
「しかし」
ここで順一がこう言った。
「あのモンスターは本来は」
「本来は、でござるか」
「はい、海水の中で生きていて」
そうしてというのだ。
「淡水では生きていられない」
「そうでござるな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
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