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レーヴァティン
第五十一話 川旅その七

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「力の弱い人達からのカツアゲとか」
「殺人も厭わず」
「それで、だからね」
「そうした輩共ならばですね」
「おいらも容赦しなかったよ」
 ならず者達の中でも外道と言える相手にはというのだ。
「一切ね」
「そしてですね」
「暴れたら当身をして」
 柔道にもあるそれを使ってというのだ。
「川に放り込んでいたよ」
「そうしていましたか」
「うん、もう後はね」
「川の中のモンスター達の餌ですね」
「そうなるに任せていたよ」
「外道達にはですね」
「そうした連中生かしておいても駄目だから」
 この世の害にしかならないというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「そうした連中はね」
「始末していきますか」
「容赦なくね、これまでもそうしてきたし」
「そうでしたか」
「今回もそのつもりだったよ」
 今しがた金を巻き上げた面々が外道と呼べるまでの者達であったならばというのだ、彼等はそこまではいかなかったが。
「只柄の悪い連中じゃなかったらね」
「そんな連中は始末しないとな」
 ここで言ったのは久志だった。
「世の為人の為にな」
「そうそう、さもないとね」
「駄目だからな」
「外道を始末するのも仕事だよね」
「ああ、こっちの世界じゃな」
 彼等が起きている世界は違うがというのだ、法治が徹底している現代の日本社会においてではである。
「法律も大事だけれどな」
「法律がまだ及んでいないとね」
「そんな屑が幅を利かせたりもするからな」
「そしてその屑共をだね」
「始末するのもな」
「仕事だよね」
「屑共より強かったらな」 
 その場合はというのだ。
「しないとな」
「容赦なくね」
「ああ、しかしさっきの連中はな」
「柄は悪かったけれど」
「まあそこまではな」
 川の中に放り込んで始末してまではというのだ。
「しないでいいな」
「そうそう、あの連中は思ったより悪い連中じゃなくてよかったよ」
「多少柄が悪い程度でな」
「それ位ならね」
「川に放り込んだりしなくてもいいな」
「そうして始末することもないよ」
「だよな、この川もな」
 久志は今自分達が旅をしているその川のことも話した。
「モンスターいるしな」
「確かこの川は」
 川自体のことは進太が話した。
「ケルピー等が出るでござる」
「あの馬の姿したモンスターだよな」
「時々岸に出て人を馬に化けて背に乗せて川の中に引きずり込んで食べてしまうでござる」
「それで川の中でもだよな」
「人を襲うでござる」
「そうしたモンスターだったな」
「危険なモンスターでござる」
 それがケルピーだというのだ。
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