ペルソナ3
2025話
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だが、実際に学校の中でそこまで噂になっていない……ゆかりと美鶴の2大派閥に及ばないまでも、ファンクラブの類が出来ていないという事は、客観的に見て長谷川はそこまで人気がないということなのだろう。
もしかして、俺の審美眼とかが普通と違う……と、そういう可能性も十分にあるが。
ああ、でもゆかりや美鶴を美人だと感じているのを考えれば、その辺りに問題があるとは思えない。
「そうか? なら、俺と一緒に回ってみるか? そうすれば、さっきのような妙な奴に絡まれるような事もないけど」
「えっと……それってもしかして、デートのお誘い?」
「そういう訳じゃないんだが……まぁ、そういう風に思ったんなら、それでも別に構わないぞ」
この件がゆかりに知られれば若干不味そうな気がしないでもないが、長谷川をこのまま放っておくと、また面倒に巻き込まれそうになるのは、ほぼ確実に思えた。
……長谷川に絡んでいた男達が、また姿を現す可能性も皆無という訳じゃないし。
「ちょっと嬉しいんだけど……ごめんなさい、クラスの方の出し物で私も色々と働く必要があるから」
「そうなのか? まぁ、それならそれでいいけど」
長谷川が1人でいるから、ああいう連中に絡まれるのだ。
なら他の連中と一緒に動けば、その辺りが問題になるような事もないだろう。
「いえ、誘ってくれて嬉しかったわ。よければ、また私を見かけたら声を掛けてくれる?」
笑みを浮かべつつそう言うと、長谷川はそのまま去っていく。
出し物をやっているという自分の教室に向かったのだろう。
長谷川がそう判断したのなら、俺もこれ以上は何も言う事はない。
すぐに長谷川の事を忘れ、俺は再び月光祭を楽しむべく学校の中を歩き回る。
「……へぇ」
そんな中で、ちょっと珍しい屋台を見つけた。
売ってるのは、餅。
餅を売る屋台ってのは、かなり珍しい。
正確には、焼いた餅に醤油を塗って海苔で巻いた……何だったか。磯辺餅? そんな感じの餅だ。
まぁ、雑煮にしなかったのは、納得出来る。
餅は日本でも多く食べられているが、その雑煮の種類ともなれば、それこそ数え切れない程にある。
中には聞いただけで、え? と思うような雑煮もあるのだから、そう考えれば素直に餅だけを売りに出したというのは褒められてもいいと思う。
まぁ、餅にしても醤油、きな粉、納豆、大根おろし……色々な食べ方があるんだが。
ただ、この屋台の場合は一種類だけにしているので、その辺りで揉める事もない。
……ああ、でもそうなれば、雑煮とかでも出し汁を1種類だけ用意しておけば問題はなかったのか?
そう思いつつ、金を払って餅を買う。
うーん……高校の学園祭である以上はしょうがないんだが、出来れば餅は手作りの
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